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加入条件 始めに選択、もしくは魔法の森15階で撃破。 初期装備:魔法書、帽子 能力 HP LP AP1 AP2 AP3 腕力 器用さ 知力 敏捷 体力 精神 霊力 耐性 防御 備考 Lv.1 28 19 2 1 0 7 8 8 10 7 7 0 - - 人間特攻の対象 Lv.99 2400 1499 21 14 7 70 80 85 100 70 70 0 アビリティ アビリティ名 Lv. OP 効果 属性 依存パラ 範囲 溜め 消費呪力 消費AP 条件 備考 1 2 3 プレス 1 1 格闘技 腕力 敵単体 0 0 ○ × × なし 2 1 敵単体 0 0 ○ × × 3 2 敵単体 0 0 ○ × × ふみつぶす 1 1 格闘技 腕力 敵単体 0 0 × ○ × プレスLv.1 2 1 敵単体 0 0 × ○ × 3 2 敵単体 0 0 × ○ × 体当たり 1 1 ミスあり 格闘技 腕力 敵単体 0 0 × × × プレスLv.1 2 1 ミスあり 敵単体 0 0 × × × 3 2 ミスあり 敵単体 0 0 × × × 突き飛ばす 1 1 格闘技 腕力 敵単体 0 0 × ○ × 体当たりLv.1 2 1 敵単体 0 0 × ○ × 3 2 敵単体 0 0 × ○ × 自動発狂 - 1 自動で発狂する パッシブ 突き飛ばすLv.1 切り込み - 1 続く連携が発動しやすくなる パッシブ ふみつぶすLv.1突き飛ばすLv.1 レーザー 1 1 射撃技 知力 敵単体 0 1 × × × なし 2 1 敵単体 0 1 × × × 3 2 敵単体 0 1 × × × グランドレーザー 1 1 射撃技 知力 敵単体 0 2 × × × レーザーLv.1 2 1 敵単体 0 2 × × × 3 2 敵単体 0 2 × × × レーザードライブ 1 1 射撃技 知力 敵範囲 0 3 × × × レーザーLv.1 2 1 敵範囲 0 3 × × × 3 2 敵全体 0 3 × × × マジックミサイル 1 - 魔法 知力 敵単体 0 1 × × × はじめからLv1習得 2 1 敵単体 0 1 × × × 3 2 敵単体 0 1 × × × マジックナパーム 1 1 魔法 知力 敵範囲 0 2 × × × なし 2 1 敵範囲 0 2 × × × 3 2 敵範囲 0 2 × × × スターストライク 1 1 魔法 知力 敵範囲 0 3 × × × マジックミサイルLv.3 2 1 敵範囲 0 3 × × × 3 2 敵範囲 0 3 × × × ダブルキャスト 1 1 魔法を連続発動する 魔法 味方単体 1 0 × × ○ スターストライクLv.2 2 2 魔法を連続発動する 味方単体 0 0 × × ○ 奇襲回避 1 1 パッシブ なし 2 1 3 2 バックアタック回避 1 1 パッシブ なし 2 1 3 2 エンカウント回避 1 1 パッシブ 奇襲回避Lv.1バックアタック回避Lv.1 2 1 3 2 逃げる - 味方 0 0 × × × エンカウント回避Lv.1 奇襲サポート 1 1 パッシブ なし 2 1 3 2 忍び足 - 1 視覚に頼る相手に気づかれなくなる パッシブ 奇襲サポートLv.1 隠れ身 - 1 聴覚に頼る相手に気づかれなくなる パッシブ 奇襲サポートLv.1 鍵開け 1 1 パッシブ なし 2 1 3 1 4 1 5 2 あきんど - 1 店の商品を値切る 鍵開けLv.3 オーレリーズサン 1 1 魔法 知力 敵単体 0 0 ○ × × マジックナパームLv.2 2 1 敵単体 0 0 ○ × × 3 2 敵単体 0 0 ○ × × マスタースパーク 1 1 魔法 知力 敵範囲 0 0 × × ○ グランドレーザーLv.2 2 1 敵範囲 0 1 × × ○ 3 2 敵範囲 0 2 × × ○ ドラゴンメテオ 1 1 魔法 知力 敵単体 0 0 × × ○ ふみつぶすLv.1マスタースパークLv.1 2 1 敵単体 0 1 × × ○ 3 2 敵単体 0 2 × × ○ 備考 ご存知、普通の魔法使い 霊力を除き全ての能力が高水準。特に知力と敏捷が高い、完全な魔法型アタッカー。 また能力は確実に後衛向きなものの、この手のタイプには珍しく前線でもやっていけるタフさも持っている。 最初から使えるということもあり、全体で見ても非常に無難かつ確実に強いキャラのうちの一人である。 むしろ普通にしてはちょっと強すぎる気がしなくも無い。 アビリティも単純にして強力、かつ、わかりやすいものしかないので特別悩む事がなく、 とりあえずマスタースパークさえあれば後は適当でも構わないあたりが実に魔理沙らしい。 ただしAP3はあまり無駄使いできないので、ご利用は計画的に! また魔法型にしては妙に高い腕力と申し訳程度に格闘攻撃を持っているので割と隙が無く、 育て方によってはかなりオールマイティーな活躍が出来るキャラでもある。その辺はPT編成しだいか。 PT編成能力の「新魔法党」は全員の知力を底上げするナイスな効果があるので、 特にこだわりが無いなら狙ってみてもよろしい。 育成 RPGは火力だぜ! 育て方も実にシンプルで悩む必要が無いのが魔理沙のいいところ。 HP・LPをそこそこに、攻撃力の要となる知力を序盤からガンガン伸ばしていこう。 腕力は格闘を嗜む程度なら問題ない程度に基礎が高いので、あまり気にする必要は無い。 ENを消費するアビリティが多いので早めに金烏玉兎集は欲しいところ。 AP3は、魔理沙の切り札である「マスタースパーク」を撃つためにもっと欲しいところだが、 知力特化にしておくとその分威力が高くなり、何発も撃つ必要そのものが無くなる。 また普通に知力特化していると、AP2はまず使わないので完全に無視してよい。 ちなみに、魔理沙は全キャラ中トップの敏捷を持っており、 特に何も無ければ常に一番最初に行動するだろう事を頭の隅に覚えておくこと。 装備の無い一週目はミサイル系を中心にするといい 基本的にはミサイル系かレーザー系のどちらかを重点的に育てるとよいのだが、 装備の乏しい一周目はまず、消費がAP1のみで高威力の「オーレリーズサン」を目指すのがベストだ。 もう一つ、魔法攻撃を使えるキャラは特に最序盤では限られており、 魔法でなければダメージが通りにくい敵が存在しているのも大きな理由の一つ。 さらに、「スターストライク」からは「ダブルキャスト」に派生するため、 全体ダメージの底上げという意味でもミサイル系のアビリティは非常にお得。 AP3が乏しいうちは、「ダブルキャスト」→「オーレリーズサン」が鉄板コンボになるだろう。 「マスタースパーク」をおぼえるのは、AP3が複数回使える様になってからで構わない。 二週目以降はレーザ系を重視するのもありだぜ 二週目以降である程度のアイテムが揃っているならレーザー系からおぼえても面白い。 特に、彼女の代名詞でもある「マスタースパーク」は、範囲攻撃の上威力も高いため、 ボス戦、雑魚掃討戦を問わず大変重宝するので、序盤から使えると無双になりやすい。 低レベルクリアを目指す場合などはこちらの方がお得である。 またレーザー系から育てる場合でも、「ダブルキャスト」があると非常に強力なため、 最終的には、「ダブルキャスト」→「ドラゴンメテオ」を目指す事になる。 「ドラゴンメテオ」は「マスタースパーク」とは違い単体攻撃だが、威力は更に上なので 対ボス戦では通常の「マスタースパーク」よりも若干有利となる。 ダブルキャストって実際どうなんだ? FFでいうところのいわゆるれんぞくまというやつで、選択した魔法をもう一度連続で使用する。 ダブルキャストの有用性は、知力が完成しダメージの増える後半になればなるほど上がっていき、 その気になれば1ターンで数万の攻撃を複数回叩き込んだり、補助を連続でかけることも出来る。 マジックミサイルの本家、魔理沙のアドバンテージの一つなので、是非活用したい。 「新魔法党」の力を見せてやるぜ! 戦闘に参加するPTメンバー全員の知力に見えない補正をかける編成能力、「新魔法党」。 魔理沙、アリス、パチュリー、白蓮のうち3名が参加していれば効果が発動し、 戦闘中の知力依存アビリティの威力がぐーんと上昇する。 これがどの程度恩恵をもたらすのかをLv99、BPで知力+15の魔理沙で比較してみた。 コレを見るとかなりの効果が期待できることがお分かりいただけるだろう。 魔理沙のみならず、パチュリーやアリスを運用するときも、是非使ってみて欲しいボーナスである。 なお、この新魔法党は3ボスレンジャーと重複が可能である事も付け加えておく。
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加入条件 初期メンバー 能力 タイプ HP 攻撃 防御 魔抵 素質 コスト 移動 射程 命中 回避 必殺 吹飛 拡大 再動 便乗 反撃 アイテム 療養 魔法 42+18 35+15 6+2 12+5 B(34) 3 4 3 12 8 5 0 18 8 30 0 112/238 4 評価 初期メンバーにしてイレギュラーな性能を持つ魔法タイプ。 移動4は魔法タイプの中の最高値。 移動4射程3は魔理沙と藍しかおらず、藍は物理なため住み分けがされている。 移動4は3と比べて「土間から異界にたどり着くターン数が減る」ため、明確なメリットがある。 さらに便乗の数値が高めという利点を持ち、欠点というほど低いパラメータもない。 追記:魔法キャラなのに療養が4ターン(魔法キャラで療養4ターンは魔理沙早苗のみ) 台詞集 戦闘台詞 +... レベルアップ まだまだ行くぜ! アイテム発見 お宝発見。私の物だな。 クリティカル 弾幕はパワーだぜ! 吹っ飛ばし お帰りはあちらだぜ。 効果拡大 はっはー。マスタースパークだ! 再行動 撃ったから動くぜ。今すぐ動く。 反撃 やられて黙っちゃいられないな! 便乗 面白そうだな。私も乗せてもらおうか。 撤退 戦略的撤退だ。 体力0 満身創痍だぜ……。
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魔理沙 加入条件:ステージ開始時に加入 初期装備:エルファイアー 初期能力 Lv クラス HP 力 魔力 技 速さ 幸運 守備 魔防 移動 武器レベル 3 魔道士 20 0 4 5 4 5 3 1 6 本D 成長率(%)【試行回数100回】 HP 力 魔力 技 速さ 幸運 守備 魔防 59 0 65 62 59 60 0 36 ステータス上限 クラス HP 力 魔力 技 速さ 幸運 守備 魔防 特徴 初期値は低い。アリスより弱い。だが成長率は全キャラ中最高ランクで、最終的にはアリス、パチュリーより強くなる。力はともかく守備は全く上がらない。他はとんでもな伸びで魔力、技、速さ、幸運はカンスト可能なほど、HPもなぜか前線の奴より高かったり。 特別にマスタースパークを武器レベル関係なしに持てる。クラスチェンジで杖も使えるのでAにしてリザーブなど持たせておくとよい。回復に攻撃と両方をこなすことも可能である。 あとは、もし精霊の粉(魔力2UPのドーピング)を何もこだわりがなければ全部つぎ込んでよし。トロンで50の攻撃力が出る。 リセット技を使わなくても魔力・技・速さ・幸運がカンストする成長率を誇る。 守備・魔防だけが不安なのがいかにも魔理沙らしい。 魔道士・僧侶系は守備がまったく上がらないのが普通らしい、一部藍やこいしみたいな例外があるが。 逆にペガサスナイト系以外の物理キャラは魔防がまったく上がらない。(これも例外あり) 武器レベルがEでもマスタースパークが使用可能らしいが それなりに成長させておかないとルーミアに返り討ちにされるので 集中して成長させておけば自然に武器レベルもAになっていることだろう。 魔理沙固有の特徴として盗賊でもないのに鍵なしで宝箱が開けられる。 これを知っておくと13章や21章で盗賊を出撃させる必要がないので便利。 ルーミアと専用の口上があったり、マスタースパークで専用曲がかかったり、 細かいところで色々と優遇されている。 支援会話 霊夢 (レベル2、レベル3MAX時の2回) アリス (レベル3MAX時) パチュリー (レベル3MAX時) にとり (レベル2MAX時)
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ガタガタと、周りの物を動かすたびに音が響く。 数多の道具に囲まれて生活していた自分は、ずっとこのままの家で暮らすと思っていた。 が、そんな今までの思いとは裏腹に、自分を囲っていた道具達は今「整理」という作業を遂行されていた。 理由?そんなの知らない。 だって気づいたらやらなくちゃ、と言い聞かせていたから。 片付けて綺麗にして、それで何なのか。 別段今まででも道具の場所は解るし、不便と感じたことはない。 むしろ片付けることによって場所が解らなくなる可能性だってある。 それなのに何故こんなことをしているのか。 決まっている、自分を良く評価してほしいから。 最後に大き目の水晶を退かして、どこぞの巫女が見たら呆れるほど不釣合いなお洒落なテーブルを置いた。 香森に頼んであしらって貰った物は自分も気に入っていた、似合う似合わないは放っておいて。 そこに色々と紅いトコロから”善意で”頂いてきた立派な紅茶の葉が入ってるティーポットを、そしてコースターとカップを置く。 ―――そこに並べられたカップの数は、二つ。 チラリ、と時計を見る。 時間まであと6分。 ソワソワ、と時計とテーブルに視線を行き来させて。 時間まであと2分。 ドクドク、と早くなった動悸を深呼吸で整えて。 時間まであと――― 「魔理沙ー、約束どおり遊びに来たぞー!」 一気に赤くなった頬を隠しながら、「いいぜ」と私は言った。 さぁ、私の「恋心」を受け止めてくれるか―――? 6スレ目 409 ──────────────────────────────────────────────── 「○○、なんかしようぜ!」 彼女は俺の家に来るなりそう言った。 「メンドイからヤダ」 俺は瞬間そう答える。 「なぁ、そう言わずになんかしようぜ。私は暇で暇でしょうがないんだ」 しかし彼女は引き下がらない 「たく、仕方がないな。……なら、アレをするか」 仕方なく俺は、思いついた遊びをする事にした。 「なら、Draw Fourだ。そして色は赤」 彼女がそういったので、俺はカードを8枚引いた。 その時に、彼女は怪しく嗤いながら言った。 「ふ、ふ不不腐腐。 さっきから負け続きだが……今回はさすがに私の勝ちだな」 彼女は勝てると思ったのかそう言ったが、俺は強気に言い返す。 「さて? それはどうかな?」 俺は自分が引いたカードを確認する。 手持ちのカードは12枚。 内容は 記号は Draw Two 赤青緑の 4枚 と Wild Draw Four 2枚 Skipが赤と緑で2枚 そして青と黄の 1 が4枚 。 数は多いが内容はあほみたいに良い。 対して彼女のカードは6枚か…… すでに使ったカードの中で確か Draw Two は1枚 Wild Draw Four は1枚。 「これなら……いけるな」 俺はニヤリと笑いながら、彼女に聞こえない位の声で言った。 「今回はこれだ!」 彼女はそういい赤の6を出した。 そして俺の番だ。 さて、仕掛けますかね。 「まずはSkip3枚だ」 「ふん。1回位のSkipで私の優勢は変わりはしないさ」 彼女は俺がカードを出すとそう言う。 なので、さらに攻める事にする。 「なら、これならどうだ?」 俺はDraw Twoを1枚出した。 「お返しだぜ!」 すると彼女はDraw Two1枚出す。 「ふふ、ならこれで」 次に俺はWild Draw Four を1枚出す。 「○○、そろそろ勝負をつけようぜ」 そう言って彼女はDraw Twoを2枚出した。 「では、これで終わりだ!」 そう言い俺はDraw Twoを2枚出す。 「クックック。それはこっちの台詞だぜ! これで私の勝ちだ!!」 彼女は最後にWild Draw Fourを出した。 彼女は自信満々な顔で自分の勝利を宣言した。 この顔は彼女らしくて好きだ。もう少し見ていたいと思う。 しかし俺は言ってやった。 「実は……もう1枚あったりする」 「……え!?」 瞬間空気が凍りついた。 「は、はは○○。嘘はいけないぞ」 彼女はそう言う。 気持ちが解らなくは無いが…… そう思いながらも俺は最後の一枚を出す。 「ほれ、Draw Four 色は青」 最後のカード――Wild Draw Four――を俺は出した。 「は、はは……まだ終わって無いぞ……」 彼女は弱々しくそう言った。 Draw Four 7枚 Wild Draw Four 3枚で、計26枚のカードを引かなければいけないので、当然と言えば当然である。 そんな彼女の言葉に俺は、無情にもこう告げた。 「いや、もう引かなくても良いぞ」 「え、どう言うことだ?」 俺がそう言うと彼女は案の定そう聞き返してきた。 「ほれ」 俺はそう言い手札――青と黄の1――を4枚出した。 「あ!?」 「今回は勝てると思ったのに……」 彼女は不機嫌そうに言う。 「まぁ、俺も負けたらやばいんで」 そんな彼女に俺はそう言う。 すると彼女は小さく言った。 「だって……せっかく勝てると思ったのに…」 「え?」 正直驚いた。彼女が今にも泣きそうな声で言ったからだ。 だって、彼女はいつも元気で喧しいくらいだから。そんな彼女が今にも泣きそうなら誰だって驚くだろう。 俺は焦りながらも言った。 「なら、もう一回やろう」 すると彼女はこう言った。 「もう良いよ……。それに○○は、嫌々私に付き合ってくれてるんだろう?」 「違う。そんな事無いって」 俺は慌てて否定するが、さらに彼女は言う。 「違わない! 私が来たときだって嫌そうだっただろ!!」 どうやら彼女は勘違いしているようだ。アレは所謂照れ隠しなのに。 「○○はいつもそうだ。私の事を全然見てくれない」 「へ?」 なんだか雲行きが怪しくなってきた。 「私がこんなにも想っているのに、私の事を少しも見てくれない」 「なっ!?」 今日一番驚いた。今のは告白と取れるからだ。 しかしそんなことに気付かずに彼女はさらに続ける。 「お前は、私が居るのに、霊夢や紫ばかり見ていて私の気持ちに気付かない!」 彼女にここまで言わせては、俺もその気持ちに答えなければいけないだろう。 その前に彼女を止めないといけないな。 「それからおまえはっ!!?」 そして俺は、言葉を発し続ける彼女をしっかり抱きしめて言った。 「魔理沙、少し落ち着いて。それとこれが俺の気持ちだ」 「あ……うん……」 6スレ目 447 ──────────────────────────────────────────────── 「年末には、酒だぜ」 「いきなり飛んできて何用だ?」 冬の夜中にここまで来るとは。 「寒くなかったか?」 「寒いぜ。もの凄くな」 「ごくろうさまだ」 「なんだつれない奴だな。飲み明かそうぜ」 魔理沙が家にやってきた。 「今年あった嫌なことを酒を飲んで忘れ、新年を迎える。良いことじゃないか」 ちなみに新年まではまだ数週間ある。 「ほんとうは?」 「眠れなくて暇だったんだ」 「ああそうかい」 どこまで本当なのか分からない。 魔理沙を中に案内し座らせる。蝋燭に火を灯した。 「おお。なんだかロマンチックってやつだな」 「安い酒と野菜の漬物くらいしかないんだけど」 「構わないぜ」 「すまんな」 酒瓶数本と漬物を持って魔理沙の前に座る。 茶碗に注いで軽く持ち上げた。魔理沙もそれに倣う。 「乾杯」 「二人の夜に……ってやつか」 「ああそうだ。君の瞳に乾杯」 「ははは」 何時間経ったのか。 俺も魔理沙も良い具合にできあがってきていた。 宴会の時は酔って騒ぐのが礼儀というものだが、今は二人だけだった。 神社の宴会の時の魔理沙はどのように振舞っているのだろうか。出席したことがないから分からない。 妖精悪魔幽霊妖怪が跋扈している神社の宴会になど恐ろしくていけない。 魔理沙は魔法使いで、かなりの実力があるらしい。前に本人が言っていた。 俺はただの一般人だ。 「魔理沙さぁ」 「なんだ?」 彼女とこうやって夜に呑み合うのはこれで十回目程度だろうか。 「夜に暇なんだったら他の奴のところに遊びにいけばいいんじゃないのか?」 「んんー」 こうやって二人でいるときは魔理沙が一方的に喋って俺がそれに答える。それをどちらかが潰れるまで続ける。 「なんで俺のところに来るんだ?」 「そうだな」 酒の席でつまらない質問だったが、魔理沙は気にしないようだった。 「なんで?」 「夜眠れなくて暇な日っていうのが、そんな多いと思うか?」 じっと魔理沙が見つめてくる。彼女のその言葉の意味するところがわからなかった。 「いや、おまえに限ってそんな日があるとは思えん」 「そうかい」 いつもは酔う前も酔った後もガンガン喋ってくるのだが、今日はどうしたことか。ずいぶんおとなしい。 「まあ普通は夜寝てるよな。起きてるのは妖怪とか悪魔とか」 「そうだぜ。だからおまえのところに来るんだ」 俺も寝てるんだよ。とは言わない。 「おまえが来るたびに家のお酒が無くなるんだよ」 「そりゃあ、二人で呑んでたらそのくらいは当然だぜ」 家の中は蝋燭の火だけで照らされている。魔理沙の顔くらいは見えた。 「今度から自分の酒は持参してほしいもんだ」 「肝に銘じておくぜ」 魔理沙は泣き上戸だったろうか。 「それは前にも数回聞いたぞ」 「安い酒なんだろう? ケチケチするな」 さっきから俺は何を考えているのか。支離滅裂だ。 俺も相当酔っているようだ。 「綺麗だな」 「蝋燭?」 魔理沙が突っ伏していた顔を起こしてポツリと。 もう潰れて寝たものだと思っていた。その寝顔を肴にして俺は呑んでいた。 「でも私はもっと派手なのがいいぜ。この三十倍はありそうなのが」 そんなでかいものはどっかの屋敷かお城とかにしかない。三十倍の大きさの蝋燭も無いだろうが。 「……」 じっと火を見つめている。瞳にそれが映って、魔理沙の顔がとても綺麗に思えた。 ゆらゆらと瞳が揺れる。 「どうした。らしくない」 「私にだってな……こんな日は存在するぜ。……一応な」 「まーそうだな。女の子だもんな魔理沙も」 「……そう、私も女だ。忘れちゃいけないぜ」 身体を起こしてこちらに顔を向ける。酔っ払いの顔だった。 その顔を正視できないのは俺も酔っ払っているからか。 茶碗を呷り顔を隠すようにした。 「女には憂鬱がつきものだぜ」 「そうらしいな」 「そして私は今憂鬱だ」 「みたいだな」 「私は女か?」 「そうだ。可愛い少女で魔法使いだ」 酔っ払いをまともに相手にできない。いつものように適当に相槌を打つ。 その態度が気に食わなかったのか、突然魔理沙が立ち上がった。 何事かと吃驚する間もなく、酒瓶を引ったくりそれを一気に呷った。腰に手を当てて。 「おいよせ」 立ち上がり強引に取り返した。安い酒だが、一気飲みなどするとどうなるか分からない。俺ならまだしも、魔理沙はまだ少女の年齢だ。 多少中身がこぼれてしまった。一杯程度か。もったいない。 舌打ちし文句を言ってやろうと魔理沙を睨む。 顔は前髪で隠れていた。 ということは俯いているということだ。 まさか…………泣いてる? んな馬鹿な。 首を振って阿呆な妄想は消し去った。 あの魔理沙が泣くのだろうか。 少し屈んで高さを合わせた。魔理沙とは身長差がそれなりにあるのでこうしないといけない。 そうしてやっと見えた彼女の顔は無表情だった。ほら泣いてない。 こっそりと安堵の息を吐いて頭に手を置いてやる。 「ごめんな」 以前にもこうやって頭に手をやって撫でてやったら怒られた。 子供扱いするなと。 俺のほうが年上だ。 魔理沙を助けてやれるのは俺以外にもいるだろうが、今は俺しかいない。 自惚れだ。 「……なんで謝る」 やっとこちらを見てくれた。表情にも変化が見れた。不満そうだ。 そういえば意味も無く謝るなと怒られたこともあった。怒られてばっかだった。 「癖だ。俺は困ったら謝ってしまうんだ」 「その癖、直したほうがいいぜ。正直嫌だ」 そう言うと俺の手を頭からどかした。 俺も背筋を伸ばす。もう屈んでる必要はない。見上げてくる魔理沙が頭を下げた。 蚊の鳴くようなか細い声で 「すまん」 「なんで謝る」 「嫌な女だぜ、私」 「気にするほどじゃ無いな」 素っ気無く返した。冷たいかもしれないが、言ってしまっては仕方ない。 気まずい沈黙。 俺と魔理沙との会話は単純だ。 魔理沙がボールを投げて俺が受け取る。投げ返すことはあまりしない。 ただひたすら魔理沙の言葉をもらうのが基本だった。 矢印は魔理沙から俺へ向けられるが、俺から魔理沙へ向けられることは今まで滅多になかった。 ひたすら受身の俺は、魔理沙の一方的な調子が合っていたのだ。 まさか、その彼女といて重苦しく感じられるとは思わなかった。 悔しい。 「……今日は泊まっていくのか?」 一応、訊いておいた。 この雰囲気で再開してもしょうがない。今日はお開きだ。 稀にだが、魔理沙は泊まっていくことがある。だから一人暮らしの俺でも布団は二人分だ。 「いや、今日は帰るぜ。お邪魔さまだ」 「そうか。で」 帽子を被り箒を持つ、帰り支度をしている魔理沙に訊いた。 「次はいつ来るんだ?」 驚いた顔でこちらに振り向いた。 いつも通りの言葉だ。 これは挨拶のようなものだった。別れの挨拶だ。 何回も繰り返して、もう俺の中ではシステム化してしまったものなのだろう。頭に浮かべるより速く発した言葉。 それをこんなにも驚いている。不思議である。 考えてもどうせ分からないだろうし、構わず続ける。 「せめていつ頃来るのか教えてくれよ。酒無しでも構わないのならいいんだが」 「……そうだな。気が変わった」 帽子を脱いで箒をその場に立てかけている。 俺のには答えてくれなかったが。 「あ?」 「今日は泊まっていくぜ。酒が抜けてないのに空なんか飛んだら危ないしな」 少し笑ったように見えた。 なぜか魔理沙は泊まっていくようだ。 何を考えているのか分からん。酔っ払っているのだろう。 窓際のベッドには魔理沙が座っていた。その横に俺が布団を敷いて寝ている。 蝋燭を消した今は窓から差し込む月明かりだけが視力を助けている。 「今日は疲れたぜ」 「そうだなー。魔理沙もお疲れだ」 「女はたいへんなんだ」 「勉強になります」 「恋する乙女ってやつだ」 「なるほどね」 感慨深そうに言ってくる。 乙女は酒を酔うほど呑むのだろうか疑問だ。 「この場合、恋する乙女ってのは私のことだな」 「そうですかい」 「私は誰に恋してると思う?」 「俺か?」 「そうだ」 「ありがてぇな」 まだ酔っ払っているのか魔理沙は。ありえないことを口にしている。 その言葉に何も感じなかった俺も相当酔っているのか。 もっと喜んだらいいのに。 冗談を言っているように、笑いながら、魔理沙はぺらぺら喋る。 「出会ってから今まで、いつ惚れたのか、いつそれに気づいたのか分からないけど、私はおまえが好きなんだ。会うたびに微笑んでくれる、ご飯くれたり、 私の無茶な要望にも文句言っててもそれなりに叶えてくれたし、素っ気無かったり子ども扱いしたり、おまえといると楽しいんだぜ」 ベッドを叩きながら笑う。なにがそんなに可笑しいんだ。笑うところが見当たらない。 寝ていた体を起こす。無邪気にベッドに腰掛けている魔理沙を見上げた。 魔理沙の顔は逆光になって見えなかった。笑っているのか? そうでないのか? どちらでもいい。 ずっと訊きたいと思ってたを訊いた。 「おまえ酔っ払ってるのか?」 「さあな。どうおもう?」 質問を質問で返すか。 「分からないが、とりあえず告白されたからには答えなくては」 正座して向き直る。言っておくが、俺は酔っ払ってはいない。酔いは醒めた。 そう信じたい。酔っているのだとしたら最悪だ。 しっかりと彼女を見据え、言い切った。 「俺も好きだ。愛してる、魔理沙」 「……いつから?」 「一目惚れで、それに気づいたのがその次の日」 覚えている。初対面で大きな笑顔だった彼女を。空からやってきた魔理沙を。 魔理沙が微笑んだ。……気がした。 顔がすっと近づいてくる。 「嬉しいぜ。夢みたいだ」 「夢かもしれない」 「そうか。だったら、好きなようにしないと損だぜ」 「ああ」 近づいてくる彼女に合わせて俺も近づく。 唇が触れ合う。それだけ。 魔理沙が倒れ掛かってきた。座ったまま抱きとめる。 「……あったかいな、おまえは」 「魔理沙も」 抱きついてくる力が強まった。ぎゅっと、きつく。 吐息を体にかけられた。 胸に顔を埋めた魔理沙が吐いたものだった。長い長い、なにもかも吐き出すような息。 その息に紛れて言った言葉を聞き逃さない。 「あぁ……幸せだぜ」 「俺も」 「おまえも、好きなようにしたほうがいいぜ?」 「じゃあこうする」 抱いたまま頭を撫でてやった。魔理沙は嫌がらない。そのまま撫でてやる。 彼女の寝息を確認するまでずっと。 魔理沙が目を覚ました。 「おぅ……おはようございます」 「おはよう」 ベッドから身を起こす。もう朝だ。どちらかというと昼に近い。 俺は、あのまま寝た魔理沙をベッドに寝かしてやってからずっと起きていた。寝たら夢になってしまいそうで。 今この瞬間が夢でないという保証もない。なにしろ眠い。 自分の体を見下ろして、魔理沙がポツリと言った。 「あー……よし、襲われてないぜ」 「疑ってたのかよ」 魔理沙はニヤリと笑い 「こんな可愛い魔法少女だ。男なら誰でも据え膳だぜ」 「意味わからん」 彼女に帽子と箒を渡してやる。それを笑顔で受け取る彼女に訊いてみた。 「なあ、昨日のこと覚えてる?」 「昨日と言ったら、おまえが酔って裸踊りをしたところまでしか覚えてないぜ」 「してないが、そうか」 やっぱり魔理沙は酔っ払っていたのだろうか。それならそれでいい。良いことがあったことに変わりない。 いつかまた、今度は俺のほうから告白するのも悪くないと思えるようになった。 「おまえのほうこそ、昨日なにがあったか覚えてるのか?」 意地悪そうに訊いてくる。 「俺も、魔理沙が酔って俺に告白してキスしてきたとこまでしか覚えてないぜ」 「そうかそうかそうか」 魔理沙はいやらしい笑みを崩さず頷く。 グイッと両手を挙げて背筋を伸ばした。もう帰るのだろう。 帽子を手に取り被ろうとする魔理沙に、慌てて言った。なんとなく、今帰してしまうのは惜しいと感じた。 「あ、朝飯……とは言えないが、昼飯とも言えないんだが。なんか食べてく? 作るぞ?」 「おお。嬉しいぜ。ありがたく頂いていこう」 その笑顔がまぶしいと思った。 ただ単に陽光が差し込んできただけだったが。 魔理沙が帰ったらゆっくり寝よう。さすがに眠いから。 あの出来事を、寝たら忘れてしまうかもしれない。夢のようなあの夜が夢になってしまうかもしれない。 それも構わないだろう。 とりあえずは、これからも魔理沙と一緒にいられそうだ。 「作るのなら早くしてほしいぜ。腹ペコだ」 「はいはい」 6スレ目 522 ──────────────────────────────────────────────── 今年のクリスマスも何もなかった。 恋人同士で過ごす聖夜なんていうのは、きっと都市伝説に違いない。 一人でぼんやり空を眺めていると、一筋の光が見えた。最初はただの流れ星だと思っていたのだが、どうやら違うようだ。 それ自体が星を撒き散らしながら、一直線にこちらへ向かってくるような星は僕は聞いたことがない。 「――――――!」 数秒後、それなりに片付いていた僕の部屋は廃墟と化していた。まさに嵐が過ぎた後のようだ。 もっとも、その嵐の元はここにいるのだが。 「よっ、メリークリスマスだぜ」 「……魔理沙か」 その少女、霧雨魔理沙は何事もなかったかのように僕に笑いかけてきた。 怒る気力も出ないので、精一杯の愛想笑いで応えてやる。 「なんだ、せっかくのイブの夜だってのにお前はまた一人身か?」 「ほっといてくれよ。……ところで、魔理沙は何の用なんだい?」 「そんなの決まってるだろ。ほら」 魔理沙は背中に担いでいた白い袋を高々と掲げた。 おそらくはサンタクロースを意識しているのだろうが、基本的に白黒の服装である彼女にはどうも似合っていなかった。 「ふーん。で、僕には何をくれるんだい?」 「わかってるなら話は早いぜ。これだ」 魔理沙が取り出したのは、鮮やかな装飾の施された箱であった。 「これは何かっていうとな……」 そう言うと、魔理沙はそのラッピングを解き始めた。即座に開けるのなら飾り付ける意味がないじゃないかと突っ込みたくなったが、とりあえず黙っておいた。 「クリスマスっていったらこれだろ? ケーキだぜ」 「へぇ……しかし変な形をしているな」 「し、仕方がないだろ! 初めて作ったんだから……あ」 お世辞にも整っているとは言い難いチョコレートケーキが、箱の中から姿を現した。 僕が少しコメントしてやると、魔理沙はまたあっさりと自滅した。 顔を赤くして下を向いている。 「魔理沙の手作りねぇ……」 「い、いいから早く食えよ!」 魔理沙が押し付けるようにしてケーキをさしだしてきた。 顔がチョコまみれになるのは嫌だったので、僕は近くの食器棚から皿とナイフを取り出した。 どうせ魔理沙も食べるだろうから、皿はニ枚持っていく。 「ほら、これに取り分ければいいさ」 「妙に用意がいいじゃないか」 「これぐらいは誰でも持ってるだろう」 魔理沙の言葉を軽く受け流しながら、ケーキにナイフを入れた。 二つに切り分けると、その物体はいよいよ原形を留めなくなってきたが、食べられれば問題はないだろう。 「じゃ……いただくよ」 僕は箸でケーキをつまんで口に運んだ。あいにくフォークなどという素敵なものは持ち合わせていなかったのだ。 チョコの味が口の中に広がる。決してしつこくなく、ちょうどいい甘さだった。 「なかなか美味しいじゃないか。食べ物は見た目によらないんだな」 「あー、だからそれはもういいだろ」 それからしばらくの間、そのケーキを堪能していた。 僕は自分の分を半分ほど食べ終えたところで、魔理沙の分が全然減っていないことに気がついた。 「どうした、食べないのか?」 「いや、そうしたいのは山々なんだけどな……」 見ると、魔理沙の皿の上で箸が奇妙なダンスを踊っていた。どうやら、魔理沙は箸をうまく扱えないらしい。 「なぁ○○、フォークとかないのか?」 「あれば使ってるさ」 「そうか。うーん…………じゃあ○○、これ」 「うん?」 魔理沙は僕に箸を渡すと、大きく口を開いて静止した。 その意図がわからず、僕のほうも動きが止まってしまう。 「…………」 「……何やってるんだ?」 「いやだからさ、食べさせてくれよ。それ使えるのお前しかいないんだから」 「ああ」 ようやく合点がいった。僕は箸でケーキをつまむと、魔理沙の口の中へ放り込んだ。 「ん…………おお、これは美味いじゃないか」 ものを美味しそうに食べることに関しては彼女の右に出るものはいないだろう。 そんなどうでもいいことを考えながら、僕は満足そうに口を動かす魔理沙の顔を見つめていた。 「……ありがとな」 魔理沙の顔が、なぜか少し赤くなっていた。部屋の暖房が強すぎたのだろうか。 「なぁ○○」 「なんだい?」 「…………きだぜ」 「え?」 僕は窓を開けながら、背中で魔理沙の話を聞いていたため、その言葉の一部しか聞き取れていなかった。 今一度、魔理沙に聞き返す。 「ごめん、よく聞こえなかった。もう一度言ってくれないか?」 「……なんでもない」 「?」 魔理沙はまた下を向いてしまった。心配になり、その顔を下から覗き込む。 「どうしたんだい? どこか具合でも……」 「いや、だ、大丈夫だぜ! それより!」 「ん?」 「今日はここに泊まってもいいか?」 「別に構わないけど」 「サンキュ」 そう言うか早いか、魔理沙はすぐに横になってしまった。 布団を敷くから待てと言ったが、彼女はそれきり起きてこなかった。仕方なくそのままにして、毛布をかけておいてやる。 僕は再び窓の外を眺めた。 「メリークリスマス、か」 見上げた夜空には、ちらほらと雪が降り始めていた。 こうして僕のクリスマスは、それなりに楽しく過ぎていったのだった。 6スレ目 584 ──────────────────────────────────────────────── 今日はいわゆるクリスマスというやつだ。 もう幻想郷にいる僕にはあまり関係ないのかもしれないけど。 そんなことを魔理沙に話してみたわけだ。 「ふーん。おまえの世界だと、クリスマスってのが今日になるわけだ」 「うん」 「めでたいのか?」 「えーと、みんなで騒いで美味しいもの食べる」 「こっちの宴会と変わらないじゃないか」 「そう言われてしまうと」 「しかもこっちは年に何回もやる。私たちの勝ちだぜ」 「勝ち負けがあるのね……あ、クリスマスには、プレゼントがもらえるんだよ」 「なに? おまえ、そういうことは早く言わないとダメだぜ」 「ごめん。って、その手はなに?」 「プレゼントだ。欲しいぜ」 「魔理沙……残念だけど」 肩に両手を置いてかぶりを振る。 諭すように言ってあげた。 「クリスマスプレゼントは、良い子にしてた子供しかもらえないんだ」 「なに?」 眉を顰めて驚く魔理沙。心外だと言わんばかりに 「私は子供だぜ。しかも良い子だぜ」 「なんでそう当然そうに言えるんだろう……」 「ひどいぜ」 「わかったよ……で、魔理沙は何がほしいの?」 「おまえ」 「はい?」 「おまえが欲しいぜ。身も心も。……ダメか?」 いつもどおりの口調だが、顔は真っ赤だった。ついでに瞳も潤んでいる。 いきなりだったので、僕は返す言葉が出てこなかった。 「や、やっぱりいい。忘れてくれ。バカなことを言っちまったぜ」 帽子を深く被って顔を隠す魔理沙。そっぽを向かれてしまった。 ……ちょっと泣き顔だった。 そんな魔理沙を優しく包み込んであげる。 ちょっと照れくさくて、苦笑してしまった。 「バカだな魔理沙は」 「う、うるさい。なんだよ急に」 「とっくに、僕は魔理沙のものだよ。知らなかった?」 「そっ……そいつは、知らなかったぜ。なんだ。えへへ」 帽子で隠れて見えないが、きっと魔理沙は耳まで真っ赤なはずだ。それととびっきりの笑顔。 くるりとこちらを向いてきた。 やっぱり笑顔だ。 魔理沙がキスをしてきた。不意打ちだったから、一秒と触れることはなかった。 それでも魔理沙は笑っている。 「じゃあ、さっきのプレゼント無しにしてくれ」 「あ……まだそれ引っ張るんだ」 「そうだな。じゃあおまえとの子どもが欲しいぜ」 「ちょ、それは」 「いやか?」 「いやじゃないしむしろ嬉しいんだけど……魔理沙はまだ子どもだから、さ」 「愛に年齢差は関係ないぜ。それにおまえもほとんど同じくらいじゃないか」 「あ~……じゃあ、予約。うん予約にしとこう」 「それでもいいか。私とおまえとの子どもだ。予約しとくぜ」 「何年後のクリスマスだろうね」 「私はいつでもいいんだぜ。おまえさえよけりゃ」 6スレ目 585 ────────────────────────────────────────────────
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v1.05修正点 -デビルダムトーチ 爆発範囲減少。 v1.04修正点 -アップスウィープ中に使用不可能なスペルカードを使おうとすることで回転角度が初期化されるバグ修正 -後ろ回避結界のグレイズ判定に切れ目があったバグ修正 v1.03修正点 -前下打(3A) 硬直減少 -空前打(J6A) 復帰不能短縮 -空上打(J8A) 被カウンター判定追加 -地上弱全般(B) 硬直増加 -強射(C) ホールド時間短縮 -カードゲージ増加の適用されていない必殺技が修正されました -ミアズマスウィープ 着地硬直増加 -ウィッチレイライン ガード後の跳ね返り後半に必殺技以上で行動可能に -グラウンドスターダスト サーチ性能が無くなり強弱で決まった位置へ投げるように。爆風が単発化 -メテオニックデブリ 弾速アップ -バスキースウィーパー 発生加速 初期判定縮小 レベルアップで判定拡大 強弱で軌道変化 -ラジアルストライク ダッシュキャンセル高速化 -ナロースパーク レベルアップでレーザー拡張 -アップスウィープ キャンセル対応 -デビルダムトーチ 判定の持続が延長し、高い位置まで火柱が届くように -グリーンスプレッド レベルアップで拡散レーザー部分に攻撃力が発生 -スターダストレヴァリエ 霧雨適用 -エスケープベロシティ 復帰不能時間短縮 着地硬直増加 -メテオニックシャワー 空中対応 ヒットストップ適用 単発の威力低下 -ドラゴンメテオ 威力低下 空中対応 -実りやすいマスタースパーク 出始めの補正が緩和され威力アップ コメントフォーム 名前 コメント
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FAL 「米北大吟インストール!」 うらいたでの緋想天大会の運営を担当する偉いお方 緋想天初期から魔理沙を使い続けてきた コンボ選択に定評があり、アドリブで最大ダメージコンボを狙ってくる 最近は、2C対空に目覚め、2C ブレイジングなどのコンボも 研究熱心でキャラ対もできているが、若干まばらなのが課題か 「デビルダムトーチ」が大好きだが、勝率が下がるのでガチデッキには積んでいないとのこと 酒、特に日本酒を好み、さらにはザルのようである PC復活しました、ただいまうらいた ホスト規制されて書き込みできなくて、しばらく大会開けそうに無いです;; DOLL 「我は戦いの殉教者なり・・・」 大会の際によく名前を変えている魔理沙 低スペ勢だったがprkn氏にPCを譲ってもらい高スペ勢となった シングルではまだ結果を残せていないが、その真価は2onの時に発揮される 2度出場したランダム2on大会ではいずれも、3位・優勝と表彰台に上がっている 数多くの固めを扱えるようになり、きっちり割コンをねらってくる しかし、シャワー割はまだ安定しないようだ 都内の謙虚なTCG勢 三五咲 逢(さごう) 「金返せ?氏ねばいいのに」 友達の知人の父親の部下の従兄弟の伯父の母親の孫の息子に聞いた話によるとイケメンであるらしい うらいたにある百合スレのスレ主であるため、メイちゃんとの交流はここから始まったと推測される その花のベストカップリングは、麻衣×玲緒 藤原妹紅みたいなイケメンが好きらしい 「もこたんが追加されたらもこたん使う」と公言している 自重氏から「こわい」、「凄い動き」という評価をもらっており、かなりの腕前 レイラインは移動技であることを定義 数多くの格闘ゲームに手を出すマルチプレイヤーでもあるが、最近は北斗とBBと人生オワタの大乱闘しか触っていない カオスブレイカーがお気に入りで、「ンシドル」というキャラクターを溺愛している 緋想天では咲夜→霊夢→文→咲夜→魔理沙とキャラを変更し、咲夜と魔理沙でメインをどちらにするか悩んでいたが、 魔理沙をメインとして使っていくことに決めたらしい 現在、アマガミ勢につき緋想天放置ぎみ 好物は、濃厚!わんぱくバナナらしい そういえば例大祭の新刊がとらのあなに結構並んでたので、 さごうさんと買いに行きました (M・ω・)<あそこも新刊、そっちも新刊!? (M・ω・)<しかもこっちは総集編祭り/(^o^)\ (M・ω・)<所持金は・・・1万8千か (M・ω・)<これは今日のところはある程度我慢して後日来た方がいいかな・・・ (S゚д゚)<画面見たら負け (M・ω・)<さごうさんマジパネェっス (S゚д゚)<おい、金額計算するから手伝え (M・ω・)<今更かよ、氏ね (M・ω・)<・・・円、630円、1050円、はい終わり (S゚д゚)<合計1万8千円 (M・ω・)<いくら持ってんだよ (S゚д゚)<1万6千円 (M・ω・)<氏ね (M・ω・)<しょうがないから金貸すわ (M・ω・)。。(つっても俺も余裕があるわけじゃないけど・・・) (M・ω・)<ほい3千円 (S゚д゚)<・・・ん・・・ (S゚д゚)ゴソゴソ・・・ (M・ω・)<なんでさらに買おうとしてんだよ、氏ね (S゚д゚)<200ぐらいしか余らなかった (M・ω・)<知るかボケ 結論:画面を見ましょう 淑女達が集う、聖うらいた学園の理事長兼生徒会長。 容姿端麗才色兼備の持ち主で、他の女生徒からも人気は高い。 毎週開かれる舞踏会では実況を務め、その気高く美しい実況を聞きに、他校や海外からもわざわざ参加者がいるほどである。 と言うか、あわよくば彼女とお近づきになりたいと思っている者が大半である。 かく言う彼女は、色恋沙汰には興味を示さず、自分を高める日々を送っている。 そんなある日、秘書のびぐろく(メガネっ娘)に彼女から信じられない一言が・・・ 「私、気になる子がいるの・・・。」 この衝撃的な発言はとてもびぐろく1人の胸の内に抑えられるほど簡単なものではなかった・・・! 学園中が、この話題で持ちきりになる。 「まさか、あのさごうお姉様が!?・・・信じられないですわ。」 「まぁ・・・!あなたもお聞きになって!?」 「ですが、そのお相手は、一体誰なんでしょうか・・・」 学園のアイドル、ドジっ子属性の副担さんでしょか? それとも、おっとり系巨乳ナースの豚彦さんかもしれませんわ。 噂は留まることを知らず、学園中がパニックに!!! こうして私の学園生活は幕をあけたの。 814 名前:名無しさん[sage] 投稿日:2008/12/14(日) 02 18 02 さごうさんと久々にやりたいな 815 名前:名無しさん[sage] 投稿日:2008/12/14(日) 02 45 56 俺もさごうさんとやりたい 816 名前:名無しさん[sage] 投稿日:2008/12/14(日) 02 59 44 私男だけどさごうさんとならやりたい 817 名前:名無しさん[sage] 投稿日:2008/12/14(日) 03 06 46 俺も俺も 818 名前:名無しさん[sage] 投稿日:2008/12/14(日) 03 11 32 それなら俺だって! 819 名前:名無しさん[sage] 投稿日:2008/12/14(日) 03 38 46 それならオレも立候補せざる得ないじゃないか・・・ 優しくしてね///。 820 名前:名無しさん[sage] 投稿日:2008/12/14(日) 04 57 56 じゃあ俺が! 821 名前:名無しさん[sage] 投稿日:2008/12/14(日) 06 31 54 いやいやここは俺が! 822 名前:名無しさん[sage] 投稿日:2008/12/14(日) 12 29 59 なんだこの流れw ちーすけ 攻めに徹底したプレイスタイル 魔理沙の強い部分をひたすら押し付けるのが上手い 彼の繰り出すJ6Aには、吸い込まれるように当たってしまう 攻撃は最大の防御なりを体現している 頂点杯予選では、衣玖の遠Aに見てからブレイジングを刺し、優勝した
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霧雨魔理沙 加入場所 幻想渓谷3Fで話しかけて合流 ステータス倍率 HP★★★☆ MP★★★★☆ 攻撃★★★☆ 防御★★☆ 魔攻★★★★★ 魔防★★★★☆ 命中★★★☆ 回避★★★★★ スキル詳細 スキル名 前提スキル 種別 対象 消費MP 詠唱時間 効果 射程・範囲 スティールアイテム ― アクティブ キャラ 10 0 対象のアイテムを盗む。スキルレベルに応じて確率増加。 射程:隣接1 スティールハート スティールアイテム1 アクティブ キャラ 10 0 心を盗む。単体を混乱状態にする。スキルレベルに応じて確率増加。 射程:隣接1 借りてくぜ! スティールアイテム5スティールハート1 アクティブ 使用者 10 0 風を身に纏い、その場で戦闘から逃げる。スキルレベルで逃げられる確率が増加。 蒐集 スティールアイテム3 パッシブ ― ― ― スキルレベルに応じて、アイテムのドロップ率が増加する。 ― 攻撃するふり スティールアイテム5 アクティブ キャラ 10+Lv*1 0 フェイントをして攻撃。相手の防御状態を解除する。 射程:隣接1 ウィッチレイライン 攻撃するふり1 アクティブ キャラ 10+Lv*2 0 相手に飛びつきながら攻撃する。対象の目の前まで瞬時に移動しながら攻撃。 チャージ八卦炉 スティールアイテム3 パッシブ ― ― ― スキルレベルに応じIntが増加。 ― シュート・ザ・ムーン チャージ八卦炉1 アクティブ キャラ 20+Lv*2 250+Lv*250 敵一体に無属性の魔法ダメージ。 射程:◇1~7 ノンディレクショナルレーザー シュート・ザ・ムーン5 アクティブ 床 30+Lv*3 500+Lv*500 範囲内に無属性の魔法ダメージ。 範囲:三マス幅の十字線上 マスタースパーク ノンディレクショナルレーザー10チャージ八卦炉5 アクティブ 床 40+Lv*4 750+Lv*750 直線状の範囲に無属性の魔法ダメージ。 射程:隣接0~1範囲:放射状全面 メテオニックシャワー チャージ八卦炉1 アクティブ キャラ 20+Lv*2 250+Lv*250 敵一体に光属性の魔法ダメージ。 射程:◇1~7 スターダストレヴァリエ メテオニックシャワー5 アクティブ 床 30+Lv*3 500+Lv*500 範囲内に光属性の魔法ダメージ。 射程:◇1~7範囲:◇0~3 イベントホライズン スターダストレヴァリエ10チャージ八卦炉5 アクティブ 床 40+Lv*4 750+Lv*750 超広範囲に光属性の魔法ダメージ。 射程:◇1~7範囲:◇0~7 スーパーペルセイド チャージ八卦炉10 アクティブ 床 50+Lv*5 500+Lv*500 敵全体に無属性の超魔法ダメージ。使用後、反動で自分の魔法攻撃が低下する。 範囲:MAP全域 ファイナルスパーク マスタースパーク10イベントホライズン10スーパーペルセイド10スティールハート5 アクティブ 床 1 5000 全てのMPを消費して最大魔法攻撃。残りMPが高いほど威力が高くなる。 射程:隣接0~1範囲:放射状全面 特徴 魔法系アタッカー、しかし、杖は装備できない だが、マダンテファイナルスパークはMPの上昇効果を持つ魔理沙の専用装備と相性が良く 橙の猫の手や夢美のアンプリパーティクルなどと組み合わせることで、高威力を叩き出す ファイナルスパークは全MPが消し飛ぶため、MPタンクキャラとの相性は良いが、生半可なMP譲渡では魔理沙が満足しないだろう しかし、ファイナルスパークを使う場面はボス戦が多いため、MPタンクキャラよりも火力サポートができるキャラと組ませると良いだろう 運用例 ファイナルスパーク型 ステ振り Int,Spi,Dex振り (MP量の引き上げ、高速詠唱のため) 型解説 ボス戦を見越した、火力一発屋であり MP量依存攻撃を最大限に生かすため、MPの多さが鍵となる MP+20%上昇する専用武器やInt上昇によるMPの増加量は洒落にならないので Int2倍の効果を持つ八尺瓊勾玉を持たせると良いだろう また、神珠に余裕がある方はプリンセスティアラを装備させることで MP+30%上昇の他、HP+30%も上昇するため、魔理沙の生存率をぐっと引き上げることもできる 名前 コメント
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「では、僕は里の手伝いしに行くから、気をつけて」 「おう。いってらっしゃい」 もう何かの研究に取り掛かった魔理沙が後ろを向いたまました返事を聞いてから、○○は霧雨邸を出た。 森の中から空はよく見えなかったが、どうやら夜には一雨来そうな感じである。 森の生活が長くなったため、そういうこともわかるようになっていた。 「行く前に、竜神様の像に参っておくかな……」 慣れた足取りで、彼は森の出口に向かっていった。 ○○が霧雨邸に住み始めて結構時間が経つ。とはいえ、半年は経過していないが。 それでも、森自体にも、また魔法自体にも造詣が深くなっていっているのは自他共に認めるところ。 そして何より、霧雨邸が以前よりも住み良い場所になったのは彼の功績だ。 まあ、片付ける側から物が増えていくのだが…… 魔理沙の盗癖も半分になった。正確には、半分彼が返しに行っている、なのだが。 返しに行く際、必要な部分はメモしたりノートにまとめたり、としていたので、彼自身も魔法の基礎が身に付きつつある。 それが良いことかどうかは置いておいて、ともかく、二人の生活は割合順調のようだった。 「……駄目だ……」 本日何度目かの失敗をして、魔理沙は宙を仰いだ。 そもそも、失敗など怖くはない。失敗するなら成功までやれば良いだけの話だ。 駄目なのは他の事に理由がある。 「……ああ、くそ! どうしてこんな…………」 昨晩、何となく訊いてしまったのが悪かったのか。 そのときの会話を思い出しながら、魔理沙はため息をついた。 『お前はさ、何で私だったんだ?』 『何がです?』 『いや、そのー……一緒に住んだりしてるのが、さ』 しばらく魔理沙が研究に入るということで、森の外に行く準備をしていた○○は、ふむ、と考え込んだ。 『何故か、ということですよね? 難しいなあ……』 普段は敬語を使う青年なのだが、できるだけ敬語をやめてくれ、という魔理沙の要望に応えて、少しずつ言葉を変えていっている。 『僕は魔理沙さんを好きになったから。ただそれだけだからなあ』 『…………真っ向から言わないでくれ、何か照れる』 『訊いたのは魔理沙さんじゃないですか……でも、そうだね。魔理沙さんの傍にいたいなって思ってるのは、本当だよ』 そう微笑まれて、魔理沙は表情と返事に困った。 『……そっか』 『ええ、そうです』 結局、魔理沙はその晩、○○の顔を直視できなかったのだった。 「あー……」 机に突っ伏して、意味の無い唸りを上げる。誰もいない、中途半端に片付いた部屋が、何となく無駄に広く寂しく感じた。 「……広いな」 呟く。呟いて、この空間に何かが足りない気になって、自分で不思議な気持ちになった。 魔理沙は研究のときに傍に人がいるのを好まない。だから、その間○○は里に仕事に行く。常の行動だった。 魔理沙もそれをわかっていた。だから何も言わないし、それを当然と取っていたところがある。 (でも、あいつは何処にいるんだろう?) 大抵、神社か香霖堂にいる、という話は聞いていた。 神社は、彼がこちらに来てしばらく世話になっていた場所であるし、今でもちょこちょこ顔を出している。 香霖堂では、霖之助とよく話をしているのも見かけるし、外の物品について彼は結構知っているのでその話もしている。さすがに作り方はわからないようだが。 (それ以外にも、行ったりするのかな……) 少しだけ、不安になる。あいつは佳い奴だ、と彼女は思っている。だから、あいつに想いを寄せるのは、自分だけじゃないんじゃないかと。 一度考え出すと、気になって仕方がなかった。 「……何をうじうじ悩んでるんだ、私は」 そうだ、気になるなら行けば良い。それだけだ。研究は中途になるが、このまま悶々としたまま続けても良い結果は出ないだろう。 すっきりさっぱりしたら、また研究に戻れば良いのだ。 そう決めた彼女は、家を飛び出ると箒に乗って夜を駆けはじめた。 「あれ、ここにはいないのか」 「来て第一声目がそれかい、まったく」 霖之助は、突然の訪問者に大きくため息をついていた。 「いや、○○の奴なんだけど」 「ああ、今日は来ていないな……何だ、また研究で追い出したのか?」 「失礼な、あいつが気を遣ってくれてるだけだよ」 「同じことだと思うよ。まあ、彼も嫌々ってわけじゃないみたいだけどね」 「どういうことだ?」 魔理沙が不思議そうに訪ねると、霖之助は何ともなしに答えた。 「彼は魔理沙がそうやって一所懸命なところを見るのが好きなんだとさ。毎回惚気られる身にもなってくれ」 そう軽口を叩いて、霖之助は、ともかくここには来ていないと告げた。 「里か神社か、じゃないかな」 「そうだな。あたってみる。じゃな、香霖、邪魔した」 そして、曇天の中、一条の彗星のように駆けていった少女を見送って、彼は、やれやれ、と微苦笑を浮かべた。 神社にも、彼の姿はなかった。 「ここにもいないか」 「珍しいわね、魔理沙。一人なんて」 縁側に座っていた霊夢が、茶を啜りながら応対する。 「そうでもないぜ。単独行動はよくするぞ」 「○○さんは?」 「里、かなあ。私はてっきりここに来てるかと思ったんだが」 魔理沙の言葉に、霊夢はきょとんとする。 「○○さん、最近は夕方からはここに一人では来ないわよ」 「え?」 「この意味、わかる?」 微笑った霊夢に、魔理沙は少し考えて――ああ、と呟いた。 「……そこまで気を回さなくても」 「○○さんにとっては大事なのね、きっと」 「……かも、な」 魔理沙はそれだけ呟くと、また箒に跨る。 「邪魔したな、霊夢」 「いいわよ、いきなりなのはいつものことでしょ。ついでにお賽銭とか入れてってもらえるともっといいんだけど」 「今度な」 「はいはい……ああ、魔理沙、雨に気を付けてね。降るわよ」 「珍しいな、お前が忠告なんて。まあ、それでも、私は行かなきゃなんないんだ」 互いに了解した微笑みを浮かべて、魔理沙は再び夜空に上がり、霊夢は静かにお茶のおかわりを淹れた。 「……大丈夫か」 戸口にに立つびしょ濡れの魔理沙を前に、慧音はただ一言そう口にした。 「ああ。すまないが、○○の場所を知らないか?」 「○○? どうした、喧嘩でもしたのか?」 「いや、そういうわけじゃないんだが」 魔理沙は苦笑して、無駄とわかりつつ帽子の水を払った。 「あいつなら、確か集会所にいる。そこで寝ると言っていた」 「そうか。てっきり誰かの家に行ってるかとも思ってたんだが」 「まあ、里にも知り合いは多いしな……だが、あいつらしい言い分でな」 慧音はからかうように微笑した。 「今は、誰かの場所に厄介になるのが、お前以外は気が引けるのだそうだ。だから極力、誰のところにも行かないようにしている、とな」 「私ならいいというわけか、あいつ」 「お前だからこそ、だろう」 「……そか」 魔理沙は帽子を深く被る。表情が見えないように。 「悪い、邪魔した」 「いいや。風邪引くなよ」 「ああ」 わかっているのかいないのか、魔理沙は再び雨の中を飛び出していった。 集会所には、小さな明かりが灯っていた。 「……○○?」 「え? ……魔理沙さん!?」 集会所の隅に荷物を動かしていた○○は、全てを放り出して魔理沙の元に駆けてきた。それが、少し嬉しく感じた。 「何かあったんですか!? こんなびしょ濡れで……!」 「あー、いや、何があったっていうわけじゃないんだが」 帽子を取って、魔理沙は何と言ったものかと考える。 「その、心配になってな」 「心配? 僕が?」 「ああ」 ああ、こんなことを言うつもりではなかったのに。 「お前、人気あるからな、誰かに言い寄られてないか、とか思ってな」 「……それだけのために?」 「ん、いや、まあ、な」 言いたい事が出てこない。何を言いたいのかも言えば良いのかも。 「魔理沙さん」 「え……あ、おい! お前が濡れるぞ!」 抱きしめられて、魔理沙は焦る。○○は濡れるのにも構わず、さらに強く抱きしめた。 「……こんなに、冷えて」 「……雨だからな」 「僕に会うために?」 「…………そうなるか」 「研究まで中断して?」 「失敗続きだったんだ」 「こんなに――こんなに、不安そうな顔で?」 そこまで言って、○○は魔理沙の顔を覗きこんだ。 「そんな顔してるか、私」 「はい」 魔理沙は苦笑して、逆に訊き返した。 「……お前は、どうして、私に付き合ってくれるんだ? 研究のときは追い出して、里でこうして一人でほっといてるのに」 「それでも、帰らせてくれる。傍に居させてくれる」 「私は、お前に何もしてやれないぞ? せいぜい、掃除と洗濯と飯当番を振ってやることぐらいだ」 「それは、楽しいよ。魔理沙さんと一緒に生活できてて。昨日も言ったように、僕は魔理沙さんが好きだから」 「……お前、馬鹿だろ」 「そうかも。でも、何だかんだで、魔理沙さんは僕が傍に居ることを赦してくれるでしょう?」 「…………まあ、な」 魔理沙はそう応えて、逆に○○に抱きついた。 「広いんだ、家が」 「だいぶ片付けたからね」 「おまけに、片付けてくれるでかい図体も見当たらない」 「む、そう太ってはないはずですが」 「背が私よりも頭一つ分以上高ければ十分でかい」 そして、表情を見られないように彼の胸に顔をつける。 「手伝いが必要みたいだ。研究中に、いろいろ周りのことしてくれるのが」 「……それは」 「私はアリスみたいに人形とか操れないしな。誰か要るんだ」 「…………僕は、居ていい?」 「居ないと困る。困るんだ。私の気も散る」 「居たら気が散るのでは?」 「そのはずだったんだが。どうやら、私も変わったみたいだ」 そう、魔理沙は口にした。そうだ。いつの間にか変わってしまっていたのだ。 誰かに邪魔されることが嫌いだったのに。誰かがいると気が散るから嫌だったのに。 いつしか、居ることが当たり前の存在が自分に出来てしまうなんて。 「だから、居てくれ」 「はい」 「……帰ろう?」 「はい。では、少し待ってて。すぐに荷物まとめるから」 ○○は柔らかく微笑んで、自分が放っていた荷物を取りに戻った。 慧音に集会所の鍵を返して、雨の中を二人は急ぎ帰った。 風邪を引かないよう早めに交代で湯を取って、今日はもう研究にならないからと一度中断し、それぞれの部屋で休む、はずだったのだが。 「……どうしてこういうことになってるのかな」 「何がだ?」 「僕が魔理沙さんの抱き枕になっていることについて、です」 ○○の背中に、魔理沙が抱きついている。ベッドの上で横になって。 「少し大きすぎる枕だが、暖かくて丁度良いぜ」 「それは光栄。でもこの際言いたいのはそういうことでなくて」 密着体勢がヤバいのですが、と心の中だけで思ってみる。 「……戻ります」 「駄目だ」 「…………このままだと理性がヤバいです」 「それでも」 いやに強情な魔理沙に、彼は気を引かれる。彼女が強引なのは今に始まった話ではないが、今日は何か違う気がする。 「……理由を訊いても?」 「…………お前を連れて帰って来た意味がないだろ、離れてちゃ」 「………………」 「……お前が傍に居たいって思うくらいには、私もお前に傍に居てほしいって思ってる。それだけだ」 魔理沙は、自分が○○の傍にいないときに、誰かが傍にいるかもしれない、ということが不安だった。 それを素直に言うことはないから、○○にそれが正確にわかるわけではない。わけではない、が。 「……僕が好きなのは、貴女だけですよ」 「ん」 魔理沙の返事は頷きと、摺り寄せてきた頬だけだった。それだけでわかりきっていた。 「こっち、向かないのか」 「……いいんですか?」 「顔、見てたいんだ」 魔理沙の要望を受け入れて、○○は身体を反転させた。向かい合う形になる。 「ん、こっちの方が落ち着くな」 「それなら、いいけど」 「うん、落ち着く」 ○○の片腕を枕にするような形で、魔理沙は彼の胸に擦り寄ってきた。 腕の中にすっぽりと収まってしまった魔理沙を見て、○○は、こんなに小柄だったかと感じた。 彼は思う。力もなく、能力もないけれど、僭越かもしれないけれど。 「魔理沙さんの落ち着ける場所かな、僕は」 「んー? そだな。落ち着く。お前は落ち着かないのか?」 「……そうだね、落ち着く」 そう言って、○○は腕の中の魔理沙を抱きしめた。 翌朝。 「んー、よく寝た。何だ○○、寝不足か?」 「若干……」 「寝付けなかったのか? お前寝付き悪かったっけ?」 「……そういうわけではないけど。朝ご飯用意してくる……もう研究に掛かるでしょう?」 「ああ。しかし、よく眠れたなー。またよろしくな」 「…………うん、いいよ。僕の理性が持つ間なら……」 最後の一言は、あまりに小さかったので魔理沙には届かなかったかもしれない。 ともかく、霧雨邸の朝は、今日も平和だった。 13スレ目 297 うpろだ969 ─────────────────────────────────────────────────────────── 「おーっす」 「あ、こんにちはー」 「やっと着たわね」 少し遅れて境内に到着した魔理沙と俺。 出迎えたのは早苗と霊夢だった。 「やっとって言ったって。直前まで来るなって言ったのは霊夢だろ?」 「まあまあ、とりあえずこちらへどうぞ」 早苗の先導でたどり着いた裏庭には、大きな階段状の枠組みが組み立てられているところだった。 「おー。リアルでひな壇か。豪快な事考えるなぁ」 「ま、一年に一度の事だしね」 見上げる魔理沙に、霊夢は楽しそうに返している。 「で、私は三人官女でもするのか?」 「いいえ」 「じゃあ…大臣か? 私には似合わないと思うんだが」 「そこも他の人が居ますよ」 「じゃあ、どこに?」 「空いてるじゃない。打って付けの場所が」 ……待て。まさか。 「……?」 本当にわからないらしい魔理沙が軽く首を傾げると、霊夢はため息を吐きながら指差した。 「ほら、あそこ」 「あそこって……」 そこは最上段の咳。と言う事は。 「魔理沙さんがお雛様で、○○さんがお内裏様ですよ」 「な……っ!」 早苗の付け加えで、魔理沙の顔が一瞬で真っ赤になる。 「どうせ公然の仲なんだし。何を今更恥ずかしがってるのよあんたは」 本人からすれば唐突なんだろうなぁ。 真っ赤になったまま応対出来ずにいる魔理沙の横で、俺は思いの他落ち着いて自体を把握していた。 「○○さんは驚かないんですね」 「いやぁ。横でここまで驚かれるとなぁ……。反対に驚くチャンスを見失った」 「それも貴方らしい、かも知れないわね。 さ、魔理沙。覚悟しなさいよー」 苦笑で返した霊夢は、まだ真っ赤なままの魔理沙の手を取って神社を目指す。 「ちょ、何を……?!」 「もちろん、着替えるのよー。紫と霖之助さんが全員分調達してきてくれたわ」 「えええええええええええ!?」 助けを求めるようにこちらを振り向く魔理沙。 ……すまん。俺には霊夢を止められん。 合掌。 「てことは、俺のも?」 「はい。こちらに準備していますのでご案内しますね」 「応」 早苗に連れられ、少し離れたところに向かう俺。 「さー!皆さん準備は出来ましたか?」 撮影担当の文が、壇の前に集まった皆を注目させる。 「それでは、本日のお雛様の入場でーす!」 文の言葉と共に、神社の襖が開き霊夢が現れる。 それに一歩遅れて、魔理沙の姿が。 「おお……」 思わず、見とれて感嘆のため息を漏らしていた。 美しい、とでも言うべきなのだろうか? どうも、言葉にしてしまうと無粋な気までしてくる程に似合っていた。 「どう? ○○さん。 私が選んだ着物よ」 「……ああ」 霊夢に連れられてここまで来た魔理沙は、俺の目を見て顔をそらした。 「……綺麗だぞ。魔理沙」 「……あ、ありがと」 視線を逸らしたまま、小さく呟く。 やべぇ。かわいい。 「ではでは!お内裏様にはお雛様を壇上までご案内お願いしまーす」 「りょうかいー」 段取りを聞いていた俺は、魔理沙の横に行って軽くかがむ。 「へ? ひょあぁっ!?」 唐突で変な声をあげる魔理沙を無視して、抱き上げる。 「おー。お嬢様抱っこ」 「ちょ、○○っ! 恥ずかしいだろ下ろせよー!」 「暴れるなよ、な」 何とか落とさないように頑張って、魔理沙に耳打ちする。 「……。」 「!!!!!!」 はい、真っ赤になって大人しくなりました。 「……何言ったの?」 「ひ・み・つ」 半眼で睨む霊夢に笑いかけてから、足を踏み出す。 「じゃ、行くぞ魔理沙」 コクコクと、頷く魔理沙を抱き上げて段を上がる。 …………結構、一段一段高いな。 それに衣装が動き難い。 「よ、っと」 お雛様の席に魔理沙を下ろし、自分はお内裏様の所へ…… 「○○」 「ん?」 小さな声に振り向くと、魔理沙が小さく呟いた。 「わた──」 「はいでは、皆さん各自の場所にお願いしますー!」 文の声に邪魔されて聞き取れなかったが、意味は伝わった。 「ああ」 俺は出来るだけ優しく微笑んで、所定の位置に座る。 「それでは、記念撮影しますねー。 はい、チーズ!」 こうして撮影された写真は、今でも霧雨邸の写真立てに収められている。 貴重な体験をさせてくれた幻想郷の皆に感謝、だな。 ☆個人的ひな壇のメンツ☆ ・お内裏様…○○ お雛様…魔理沙 ・三人官女…八雲紫、西行寺幽々子、レミリア・スカーレット ・五人囃子…八意永琳、みすちー、ルナサ、メルラン、リリカ ・右大臣…風見幽香 左大臣…藤原妹紅 ・仕丁…博麗霊夢、東風谷早苗、鍵山雛 番外編 「……なあ、妹紅」 「なんだ?慧音」 「これは、何かのイヤガラセか?」 「……私に言われても、な」 ・牛車…上白沢慧音 13スレ目 321 うpろだ973 ─────────────────────────────────────────────────────────── 「ごちそうさま」 「あれ、もういらないのか?」 「ああ、あんまり腹減ってないんだ」 机に茶碗を置いて魔理沙はそう答えた。 変だ、何か変だ。いつもは3杯くらいは綺麗に平らげる魔理沙がたった1杯、それも半分くらいしか入れてないのにだ。 心配になって俺は魔理沙に問いかけた。 「大丈夫か? どこか調子よくないんじゃないか?」 「そんなことないぜ? ほら、こんなに元気だ」 その場でいきなり体操を始めた。何かあやしい。 「なぁ、何か隠してないか? 俺でよければ相談にのるけど?」 「べ、別になにもないぜ? ○○は心配性だな。あんまり心配ばかりしてるとハゲるぜ?」 「ぐっ……まあ魔理沙が平気だっていうなら」 「おう、それじゃ今日はパチュリーのところに行ってくるぜ」 「いってらっしゃい」 颯爽と飛び出していった魔理沙を見送り、やっぱりちょっと心配になって少し考えることにした。 魔理沙がおかしくなったのはこの間の宴会の後からだ。 前までは普通に飯を食べていたのに、今は腹八分目、いや、もっと少ないかもしれない量しか食べないし 霊夢のところに遊びに行ったときも出された茶菓子に一切手をつけなかった。いつもなら食いすぎだって怒られているのに。 しかし、宴会で何かがあったことは確かだが情報が少なすぎるため何故食べる量を減らす理由がわからない。 これ以上は無駄だと考えるのをやめて家事をすることにした。 掃除、洗濯を終えて一服していると猛烈な勢いでドアを叩く音が聞こえた。 何事かと慌てて玄関のドアを開けるとそこには息を切らした小悪魔がいた。 「おう、こぁじゃないか? どうしたそんなに息を切らして」 「た、大変です○○さん! 魔理沙さんが倒れました!!」 一瞬小悪魔が何を言っているのか解らなかった。そしてその言葉を理解したとき俺は駆け出していた。 「あっ、○○さん!?」 くそっ、やっぱりどこか悪かったんじゃないのか!? なんで相談してくれなかったんだ!? 魔理沙!! 張り裂けそうな思いを胸にわき目も振らず俺は紅魔館に向かって走り続けた。 「貧血ね」 部屋に駆け込んできた俺に対してパチュリーはアッサリとそう告げた。 「はう~○○さん速すぎますよぅ~」 振り返るとヘロヘロになった小悪魔がいた。 「こぁ、元はといえばあなたが悪いのよ」 「うう、すみませんパチュリー様……」 要約すると、紅魔館にやってきた魔理沙はもっていくぜー、もってかないでーのいつものやり取りを済ませて本を吟味していたのだが 急に立ちくらみを起こして倒れたところを小悪魔が目撃してパニックを起こしてしまい パチュリーに魔理沙が倒れたことを伝えるとそのまま俺のところに飛んできたという訳だ。 「だから別に何かの病気ってわけじゃないわ。そんなに心配しなくてもいいわよ」 「そうか」 ベットで寝ている魔理沙に顔を向ける。パチュリーよりも顔色が白くみえる。 「へへ……ドジっちまったぜ」 「まったく、ちゃんと飯を食わないからだ。何で食べないのか今ここではっきり聞かせてもらうからな」 「えー、あの、その、あれだ、なんというか……」 ごにょごにょと言葉を濁し、はっきりと言わない。そこにパチュリーの横槍が入った。 「この間の宴会でアリスに言われたことをまだ気にしているのよ」 「パ、パチュリー!?」 慌てて止めようとするがまた眩暈を起こしたのかポスンとベットに倒れこんだ。 「詳しく聞かせてくれないか?」 「いいわ。私と魔理沙、アリスと3人で飲んでいたときに言われたのよ。最近魔理沙太ったんじゃないって」 「なるほど。だからダイエットを始めたと」 魔理沙を見ると布団で顔を隠しているのだがちらりと見える耳が真っ赤に染まっているのでどんな顔をしているのかは想像がつく。 「でも、別に見たところ太ったようには見えないけど? それに何で俺に黙っていたんだ?」 「……○○、あなたもう少し女心を理解しなさい。太ったからダイエットを始めたなんて恋人に知られたい訳ないでしょ。 それじゃ咲夜に何かスープでも作ってきてもらうから、それまで魔理沙をお願いね」 パチュリーは席を立ち、小悪魔を連れて出て行った。 「で、どこがぷよぷよになったんだ?」 「ひ、ひどいこというな!? ……お腹周りがちょっと」 「ふーん」 俺は布団の中に手を入れて魔理沙のお腹をさわった。 「ひゃっ!? ま、○○!?」 「んー、別に変わんないと俺は思うけど」 「い、いきなり何すんだよ! ……○○がそう思うだけだ。やっぱり太ってるんだよ」 「あのな、魔理沙? あんまり無理なダイエットは体に毒だ。それに他の大事なところが大きくならなくなったりするんだぞ?」 「う……それは困るが……でも……」 「……これだけ言ってもわかりませんか。じゃあ仕方が無い。その体に教えてあげましょう」 「え、○○なにを」 いうなり、俺は布団を剥ぎ取ると魔理沙に馬乗りになった。 「え? ちょ、○○? な、何をするんだ?」 魔理沙の問いかけを無視してわき腹に手を当てるとおもいっきりくすぐってやった。 「あははははっ!? な、なにを、や、やめっ、あはははっ、くすぐった、も、もうや、やめっ、いひひひっ、 だ、だめっ、しっ、死んじゃ、死んじゃうーーーーっ! あはははっ!!」 「はいはい、そこまでよ。また倒れられたら迷惑だからそれ位にしときなさい」 パチュリーからレフェリーストップが入ったのでマウントを解く。 お腹を押さえてピクピクと痙攣している魔理沙に言った。 「今おもいっきりくすぐってみたけど贅肉なんて摘めなかったぞ。 結局魔理沙の思い込みだったんだから無茶なダイエットは止めるんだ。解ったか?」 「はぁ、はぁ、わかった……」 「じゃこれ食べて少し休んだら帰って」 そう言ってパチュリーはスープを渡した。 「おかわりだぜー!!」 「……スマン、これで打ち止めだ」 ダイエットを止めるということで夕飯は豪勢にバランスと量を考えず作ってみたのでが甘かった……。 あっという間におかずとお櫃をカラッポにしてまるで幽々子が乗り移ったかのような恐ろしい食いっぷりを見せ付けてくれた。 「あー、やっぱり○○の作ったメシはうまいなー。いくらでも食べられるぜ」 ポリポリ、ズズーとたくわんと味噌汁を食べながらそんなことをのたまう魔理沙。 「あのなぁ、いくらなんでもこれは食いすぎだぞ。さすがに太るかもしれん」 「う……たしかにちょっと食いすぎたかな? でも今日だけだし○○はいつもはちゃんとバランス考えてくれるしな」 と、茶碗を置いて魔理沙がこちらを見つめてきた。 「それに、太ったかどうか○○が私のお腹を確かめてくれればいい……さ、さっそく触ってくれないか?」 「あ、ああ……」 魔理沙はスカートを捲りあげてお腹を見せているのでそっと手を当てる。 「あっ、やっ、く、くすぐったいぜ」 「まぁ、ちょっとぽっこりしてるけどこれは食べたばかりだからだろうな」 「ああ、今度からちょくちょく確かめてくれ……」 しかし、この状況を誰かに見られたらまさにごちそうさまってところだろうな…… 13スレ目 583 うpろだ1008 ─────────────────────────────────────────────────────────── 「…霧雨さん? 部屋の片付けを手伝えって言ってたけど、 これ、片付けってレベルじゃ済まないような……」 「う、うるさいぞ、○○! 良いか? こういうのはしっかり計画を立てれば簡単なんだ」 「計画って…。じゃあ、その計画とやらを聞かせてくれよ……」 「どかす、掃く、拭く、戻す!」 「…………」 俺は魔法の森の霧雨亭に、掃除の手伝いで呼ばれた。 霧雨亭内部は物が散らばって残念な事になっており、年頃の女の子が住んでいるとは到底思えない。 魔理沙本人は気にしていないようだったが、おおかた巫女や人形遣いにでも咎められたのだろう。 今日はこれらをどうにかすると言っていた。 「ちょっと霧雨さん。この本はどうする? 捨てちゃうよ?」 部屋の隅に積まれた本を指差して俺は魔理沙に尋ねる。 「馬鹿かお前! 本とかは絶対に捨てちゃあ駄目だぜ。 本は知識の塊そのもの。乱暴に扱う事なかれ、だ。大体それはパチュリーから借りてる大切なものなんだ」 確かに本を捨てるのは良くないな。言葉のあやだとしてもまずかった。 しかし、その手には乗らないよ。 「……あとで紅魔館に持って行って、門番さんに返してくれるように頼んでくる」 こんな風に溜め込むから部屋が散らかるんだ。 「わ、わ、止めてくれ! 分かった、自分で行くから!」 驚くべき速さで俺の手から回収していった。 これじゃあ紅魔館の魔女さんも大変だ。 見回してみると、魔法の実験道具やキノコだけでなく本も転がっている。まだ他にも紅魔館のものがありそうだ。 …ん? あれは……? あぁ、あれが霊夢さんの言ってたやつか! そうだな、あれを使って……。 よーし! お仕置き代わりに、ちょっと意地悪をしてみるか。 「じゃあ、このぬいぐるみは? かわいいクマのぬいぐるみ」 魔理沙はいつも、このクマのぬいぐるみと一緒に寝ている。 ぎゅっと抱き締めて、それはそれは幸せそうに夢の中へと言うわけだ。 本人は恥ずかしいと思っているらしく、友人にしか教えていないのだが……。 そこを、すこーしだけわざとらしく攻めてみた。 「あ、それは……」 焦っているらしく、目が泳いでいる。顔も若干赤い。 「霧雨さんの、なの?」 「いや、ははは、何と言うか……」 耳まで赤みが到達、組んだ指がせわしなく動き始めた。 ……頃合いかな。 「かわいいなぁ」 魔理沙の目を見てそう言った。 「……は?」 「かわいいなぁ。本当にかわいいなぁ。 優しそうな瞳がたまらないよ。それになんだか良い匂いがするし。 ほっぺたとか柔らかそうでキスしたいなぁ。耳とかはむはむしてあげたいなぁ」 魔理沙から目は反らしてない。 むしろ、嘗め回すようにねっとりとした視線を送る。 「ばっ、ばばばか野郎! いきなり何を言い出すんだお前は! いきなり本当に何をいきなり……!」 とうとう魔理沙は首のあたりまで赤くなってしまった。 スカートの端を握り締めていたが、目を合わさないように近づいてきて無言で俺をポカポカ叩く。 まったく可愛い人だ。もう少し見ていたい。 だけど、そろそろ本当の事を教えてあげよう。 「いたた、何だ、止めてくれ。違う、ぬいぐるみの事だ」 「……は?」 「だから、霧雨さんの事じゃなくて、ぬいぐるみがかわいいと言ったんだ」 口をポカンと開けて、俺の言葉を噛み砕いている様子。 そして吟味し終わると、 「………くっ、この野郎! ばかにしやがって!」 ちょっと怒った風にまたポカポカ叩いてきた。 そんな姿も愛らしいと思う。 うん、愛らしいよー……って痛い痛い! なんか本気で殴ってません!? あっ、そこは! そこは蹴り上げちゃダメぇぇ!!!!!!! 「ぐふっ!」 ……――――。 ■ ■ ■ ずさんな計画はやはり意味が無く、大掃除が終わったのは七時をまわってからだった。 それでも霧雨亭は朝に比べ、大分整頓されたと思う。本は本棚へ、カップは食器棚へ。 ベッドの下にあったドロワーズは……。べっ、べべ別に、右のポケットは膨らんでいないぞ。 「悪いな、遅くまで縛り付けて。助かったぜ」 「いや、良いんだ」 「そうか、ありがとうな」 片付いたテーブルでお茶を飲む俺たち。 他愛ないおしゃべりを楽しんでいると、魔理沙が急に真面目な顔になった。 「……あのさ、あのぬいぐるみだけどさ……。恥ずかしいけど、あれは私の大切なものなんだ」 どうやら、ぬいぐるみの事を自分から説明したかったようだ。 「そのー……、毎晩一緒に寝ててな。あれを抱き締めてなきゃぐっすり眠れないんだ」 恥ずかしさを我慢しながらも自身の秘密を打ち明ける魔理沙に、○○は言葉にし難い感情を覚える。 さっきの意地悪、謝んなきゃな。 「……俺も言わなくちゃいけないな。霧雨さん、俺はそれを知っててわざと訊いたんだ」 「は? って言うと、なに、お前知ってたのか……」 首を縦に振って○○は続ける。 「ちょっと霧雨さんを困らせたくて……。 神社の巫女さんに教えてもらったマル秘ネタを使って意地悪しちゃったんだ。ゴメンな」 「じゃ、お前は最初から……。つうか霊夢は何ばらしてんだよー……」 うなだれる魔理沙。 やっぱり言わないほうが良かったのかな。 魔理沙は何とも複雑そうな顔をして頭を抱えていたが、やがて俺に目を合わせてこういった。 「まぁ、良いや……。そうなんだ、まだ私はちょっとガキっぽいところがあるんだ。 家に一人で寂しい時は、ぬいぐるみに話しかけたりしちゃってるんだ…。アリスみたいだろ?」 そして、ちょっぴり自嘲的に微笑んで、 「……嫌いか、そんな奴は?」 そんな。 嫌いだなんてあり得ない。 だって、俺は―――。 「バカだなぁ、嫌いなはずないだろ?」 目の前の金髪の女の子がちょっとだけ帯びていた緊張は、その言葉で霧散した。 ニカーッと口を三日月形にして、そのくせ目はちょっと潤んでる。 やっぱりだ。やっぱり可愛いな。 澄んだ瞳。きめの細かい頬。薄桃色の唇。 あの時言った事は、ぬいぐるみなんかの事じゃないんだよ……。 「○○。もう遅いし、今日は泊まっていけ」 そのまま夕食もごちそうになり、気づけば十時を回っていた。 お腹も膨れ、適度に眠いこの身体で帰るのは確かに面倒だ。 「なぁ、泊まっていけよ。良いだろう?」 「そうだな、せっかく掃除したんだし。 邪魔じゃないなら泊めてくれよ。散らかる前の霧雨さん家で寝るのは、めったに出来ない経験だしな」 なんつってとか言いながら、俺はぐるりと室内を見渡す。 うん。布団を借りて、それにくるまって寝れば床でも悪くないはずだ。 「なっ、失礼だな。これでもベッド周りはいつも綺麗にしてあるぞ」 まぁそうだろうなぁ。流石に寝る場所は気を使ってるはずだ。 今日だって、あそこはホコリを掃いただけでOKだったし。 「だから大丈夫だ。一緒に寝ようぜ?」 うんうん、一緒に寝よう。 ……ん? 一緒に? 「……は?」 「……お前と一緒に寝たいんだ」 「……え、ちょっと?」 ○○は戸惑いを隠せない。 一方魔理沙はと言うと、熱っぽい眼で○○に視線を注いでいる。 もう完全に女のそれだ。 「……あのな、一緒の布団にくるまって、こう、抱き合いながら、さ」 机に置いた俺の手に、自分の指を絡めてくる。 引っ込めようとするとガシッと掴んで逃がしてくれない。 魔理沙は体を乗り出しているから、彼女の吐息が手にかかる。 「枕だって一つしかないんだ。もうこれはくっ付いて寝るしかないぜ。ふふ、恥ずかしいな……」 「ばっ、ばばばばか野郎! 何をいきなり本当にいきなり何を!」 そんなの、そんなのまだ早すぎる。 いくら魔理沙が箒で飛ぶのが速いからって、そっちははやまっちゃいけねえ! 大丈夫! そんな『私、もう子どもじゃないんだよ?』みたいな表情になんか負けない! 魔理沙は貞操はこの俺が守る! だから、ここはしっかりと、せーのっ、 「はやまっちゃ……」 「と、あのぬいぐるみが言ってるんだ」 途中から俺の声がかき消された。 魔理沙はニヤリとし、してやったりとでも言いたげだ。 「……え? ……つまり、どういう事?」 「ははは、私もちょっぴり○○に意地悪がしたくなったのさ。 お前、顔真っ赤にしながらあたふたしてたぜ」 俺は指摘されて顔を押さえる。 気づかなかったけど、かなり上気しているようだ。 「なっ! ……くそ、仕返しとは趣味が悪いな」 魔理沙は楽しそうに笑ってやがる。 あんな顔を見たら、怒るにも怒れないじゃないか。 「まったく、やっぱり勝てないよ。……でも、本当に泊めてくれるのか?」 「ん? あぁ、それは構わないぜ。 引っかかったんだから、ちゃんとぬいぐるみと寝てもらうけどな」 そこは譲らないのね。 「はいはい、分かりましたよ。 ……あれ、でも霧雨さん? あんた、ぬいぐるみがなきゃぐっすり眠れないって……」 重大な事に気づいた。ぬいぐるみと一緒に寝るという事は、結局……。 「ま、そういう事だな……。 お前はぬいぐるみと寝る。そして私もぬいぐるみと寝る。……悪いか? それにだな、もういい加減魔理沙って呼んでくれよ。むず痒くて堪らん」 何ともないような口振りで話すけど、魔理沙の頬はまた赤くなっている。 「き、いや、魔理沙……」 「お、お前もあれを抱きしめて寝てみろ。ふかふかしてすごくいいぞ。 ……べ、べつに、わわ、私ごと抱いても良いぜ?」 だ、ダメだ。……もう我慢できない。 「やっぱりぬいぐるみだけかな……? わ、私も、かわいくないか……?」 「魔理沙ァァァァァァァ!」 うpろだ1032 ─────────────────────────────────────────────────────────── とある暇な日に。 寝転がりながら厚めの本を眺める魔理沙に声をかける○○。 ○○「……何をそんなに、目を輝かせてるんだ?」 魔理沙「えっ? あ、あー……いやぁ、ちょっとな」 ○○「ふむ。外の世界のカタログか。アクセサリー関係なのな」 魔理沙「私だって、こういうの見てわくわくしたりするんだぜ」 ○○「えーと、コンセプトは『アフォーダブルで、ファッショナブルなラグジュアリー』 さりげないトレンド感が個性的、とな。日本語か、これ?」 魔理沙「さあ? でも、これとか結構可愛いと思わないか?」 ○○「……可愛いっちゃ可愛いけど」 魔理沙「けど?」 ○○「こーいう派手なのは、魔理沙にはまだ早いんじゃないか?」 魔理沙「うううううう。どうしてそういうこと言うかなぁ」 ○○「すまんすまん、別にアクセサリーをすることにとやかく言うつもりはなかったんだ」 魔理沙「どうせ私はちんまいですよ」 ○○「しっかし、なるほどねぇ……」 魔理沙「何か企んでるだろ」 ○○「いんやー、何でもゴザイマセンよ」 魔理沙「……ならいいけど」 数週間後。 ○○「魔理沙、誕生日おめでとう」 魔理沙「……へ? あ、あぁ。そういえばそうだっけ」 ○○「自分で忘れてたのかよ」 魔理沙「まあなぁ、祝ってくれる人なんか殆どいないし。 そもそも○○は誰から誕生日のこと聞いたんだ?」 ○○「霖之助さんからな」 魔理沙「そーなのかー」 ○○「まあ、それは置いといてだな。……これ」 魔理沙「お、プレゼントか。開けてみても?」 ○○「そりゃいいだろうさ。魔理沙にあげるんだからな」 魔理沙「ずいぶんちっちゃい箱だけど」 ○○「お前の言い方かたからすると、プレゼントにも火力が必要なわけか……」 魔理沙「どれどれ。あ……これって……指輪?」 ○○「まーな」 魔理沙「随分シンプルなんだな」 ○○「気に入らなかったか?」 魔理沙「そんなわけないだろ。でも、指輪にもサイズがあるって……知ってるよな? 私のサイズなんて教えた覚えがないんだが」 ○○「それは、勘で」 魔理沙「入らなかったらどうす……いや、何でもない」 ○○「あんまり気にするなって。金属アレルギーじゃないよな?」 魔理沙「ないない。うーん、ちょっと中指はキツイか」 ○○「他の指は?」 魔理沙「……え?」 ○○「ほら、ぴったりだ。うーん我ながら良いセンス」 魔理沙「…………」 ○○「どうした? ものっそい複雑そうな顔してるけど」 魔理沙「○○、これ、どういう意味かわかってやってる?」 ○○「意味? って、別に左手の薬指に指輪を…………あ」 魔理沙「わざとだろ?」 ○○「ち、違うぞ。それ以前にどうやって魔理沙の指のサイズを測るんだよ!」 魔理沙「何度かチャンスはあっただろ!」 ○○「いやいやいや! そもそも、どうやって測ればいいか解らないし!」 魔理沙「とっ、とりあえずありがとうな!」 ○○「ああ、どういたしまして」 魔理沙「でも……意図的じゃないなら、そういう意味じゃないのか……」 ○○「本当にそんなつもりじゃなかった。こないだアクセサリーに興味持ってたみたいだったし、 誕生日も近かったから、プレゼントしたら喜ぶだろうなぁ――ってくらいにしか考えてなかった」 魔理沙「うん。嬉しいぜ?」 ○○「だけど訂正」 魔理沙「ん?」 ○○「そうだなぁ……俺が一人前になるまで随分かかるだろうけど、それまで待っててくれるか? その時には、ちゃんとした給料三ヶ月分のものを、左手の薬指に嵌めてくれると嬉しい」 魔理沙「…………」 ○○「ダメ、か?」 魔理沙「……もちろん、良いに決まってるんだぜ」 それから暫くして。 よーむ「幽々子さま、さっき魔理沙が嵌めていた指輪なんですが、何か呪術的な意味でもあるのでしょうか?」 ゆゆこ「ええ、そうねー」 よーむ「それはどういったモノなのでしょう」 ゆゆこ「うーん、その存在を確認するだけで、気分が高揚したり、実力以上の力を発揮できる――ってとこかしら」 よーむ「私にも使えるでしょうか?」 ゆゆこ「妖夢にはまだ早いかしら、ねー」 よーむ「?」 ゆゆこ「あれはね、『予約済み』って意味なのよ」 よーむ「???」 うpろだ1114 ─────────────────────────────────────────────────────────── ある日魔理沙に 「外の世界には私みたいな魔法使いはいないのか?」 と聞かれた。 物語の中くらいにしかいない、と答えると、それでもいいから見てみたいと言う。 それならと、紫さんに頼みこんでDVDとプレイヤーを調達してもらうことにした。 快く引き受けてくれた紫さん曰く、 「何かリクエストはある?マヨヒガにも何枚かあるけれど、ないやつでも外から手に入れてあげるわよ?」 とのこと。外国産魔法学校ものにしようかと思ったが、日本のアニメを頼むことにした。 幸い、マヨヒガにもあるらしく、 「橙がこれ好きなのよね。黒猫が出てくるから、って」 ……だ、そうだ。 香霖堂からテレビを借りてきた頃にはもうすっかり暗くなっていた。 電力については、ミニ八卦炉をどうにかこうにかして確保できた。 それはいいのだが、魔法の森の夜は冷える。 普段暖房に使うミニ八卦炉がふさがっているので、二人でくっついて毛布に包まることにした。 ……さて、上映会だ。 外の世界のものだということを差し引いても何となく懐かしいエンディングテーマを聞きながら、 映画の余韻に浸っていると、魔理沙が尋ねてきた。 「なあ、○○」 「ん?」 「最後の方さ、何で空が飛べなくなったんだ?」 「あー……あれは、恋をして、心が揺れてうまく飛べないってことなんじゃないかな」 正しい解釈かどうかは知らないが、そんな感じだったと思う。 「へえ……」 「魔理沙はそんなことないのか?」 「まさか。私は恋色の魔法使いだぜ?」 そう言うと、魔理沙はぎゅっと抱きついてきた。 「だから、○○がいてくれるなら」 まぶしいような笑顔で、こちらをじっと見つめている。 「もっと速く、高く、遠くまで飛べるんだ」 抱きしめ返すと、温かな鼓動が伝わってくる。 心なしか少し速い。 「んっ……」 吸い寄せられるように、柔らかな唇にキスをした。 二人ともそのまま動かず、時間が流れていく。 「…………はぁ」 息が続かなくなって、顔を離した。 ずいぶん長い時間が経ったような気がする。 魔理沙は高揚した様子で、なんだかひどく楽しそうだ。 ソファーから飛び降り、伸びをする。 毛布が跳ね除けられたが、不思議と寒くはない。 「よーし、恋色魔法充電完了だぜ。○○、夜間飛行としゃれこまないか?」 「おっ、いいな。……待て、ちゃんと箒だろうな?」 「私の家にはデッキブラシはないぜ。あったらそれでも良かったんだが」 床に散らばったあれこれの中から、魔理沙はいつもの箒を引っ張り出してきた。 外に出て箒に乗った魔理沙は、ふとこちらを振り向いた。 「せっかくだから、マヨヒガまで行って橙も一緒に乗せていこうかな?」 「いや、三人乗りは無理だろ」 一応は止めたがそれでもやりかねないな、などと考えながら、 いつものように後ろに乗り、魔理沙の小さな背中につかまる。 半分は振り落とされないように、半分は支えるつもりで。 「よーし、出発!」 ふわりと宙に浮かんだ箒は、ロケットのように夜空に飛び上がった。 うpろだ1151 ─────────────────────────────────────────────────────────── 「○○、明日○○の家に行ってもいいか?」 「僕の家に?」 「ちなみに駄目って言っても行くからな」 「それじゃあ聞いてる意味がないじゃないか。それにそんな急に言われても…」 「何だよ、何か用事でもあるのか?」 「いや、別にないよ。むしろいつでもいらっしゃいって感じかな」 「……それなら最初っからそう言えよな」 「あはは、ゴメンゴメン。それじゃ明日、待ってるからね」 ○○と約束した翌日、私は夜明けと共に○○の家にやって来ていた。 外の空気はひんやりとして寒いくらいだが、今の私にはちょうどいい。 何しろ少しでも早く○○に会いたくて、ここまで最高速でぶっ飛ばしてきたからな。 「○○ー、遊びに来たぜー!」 深呼吸して呼吸を整えた後、私は玄関に向かって○○を呼ぶ。 ○○の家は人里から少し離れたところにあるため、こうやって大声を出しても近所迷惑にはならない。 まぁ、元々私はそんな事気にしないんだけどな。 「………反応がないな」 何度か呼びかけてみるが、○○からは何の反応もなかった。 さすがに時間が時間だからまだ寝ているのかもしれない。 しかし、玄関の戸に鍵がかかっているようでこちら側からは開けられなかった。 「仕方がない。こうなった強行突破だぜ」 私は○○の家に向かってミニ八卦炉を構えた。 全力で撃つと家ごと○○を吹き飛ばしてしまうので、玄関の戸を破壊する程度の魔力を込める。 「(最低出力)マスタースパーク!!!」 私の放った魔法は狙い通りに○○の家へと命中し、轟音と共に玄関の扉を跡形もなく消し去った。 これで○○の家に入れるぜ。 これくらいの被害ならいつもの事だし、○○は優しいからそれほど怒らないだろう。 最後の障害を排除した私は意気揚々と家の中に入っていった。 「○○、遊びに来てやったぜ!………ありゃ? もしかしてまだ寝てるのか?」 マスタースパークの余波で家の中に散乱してしまった少量の瓦礫を避けつつ、 私は○○が眠っている布団の傍まで移動する さっきの爆発音で目を覚ましたと思ったんだが、意外なことに○○はまだ眠っていた。 「ほら○○、早く起きろ」 さすがに玄関のときみたく魔法を使うわけにはいかないので、 私は○○の身体を揺すって起こそうと試みる。 だけど、私はすぐに○○の様子がおかしい事に気がついた。 「……○○?」 「……はぁ、はぁ……うぅ……」 私の言葉に返事はなく、ただただ苦しそうに呻いている○○。 それによく見ると、○○の顔がありえないくらい真っ赤になっている。 もしかしたらと思い額に手を当ててみると案の定、○○は物凄い熱を出していた。 トントントン……トントントン…… 一定のリズムで刻まれている、何処となく懐かしい感じのする音。 それを目覚まし代わりにして僕は目を覚ました。 「……ん……っ!?」 ぼんやりと天上を眺めている僕は、不意に鋭い頭痛に襲われた。 お酒の飲みすぎで二日酔いになった時とは違うけど、頭が割れるように痛い。 それに何だか知らないけど身体が物凄くダルイ。 「……あれ、これは?」 自由の利かない身体に鞭打って何とか上半身だけど起こすと、布団の上に何かが落ちた。 布団の中から右手を出して触ってみると、まだ微かに冷たい。 それは白い布に包まった氷のうだった。 「どうして、氷のうが……」 「○○、目を覚ましたんだな!」 訳が解らず首をかしげている僕の元に届いた声。 視線を向けてみると、そこには湯気の立ち昇る小さめの土鍋を持った魔理沙が立っていた。 何だか僕を見て凄くビックリしているみたいだ。 「え? まり、さ? どうして魔理沙が…うっ!」 「ほらほら、病人はちゃんと寝てないと駄目だぜ」 いきなり強い頭痛に襲われた僕の元へ駆け寄ってくる魔理沙。 両手に持っていた土鍋を床に置いて、僕の身体をそっと支えてくれる。 それから僕は魔理沙に言われるまま横になって布団を被ると、事の顛末を尋ねた。 「………そっか、それじゃあ魔理沙が看病してくれてたんだ」 魔法を使って玄関を破壊した事はちょっとアレだけど、 それがなかったら僕はもっと酷い状態になっていたかもしれない。 話を聞いた僕は魔理沙に対する感謝と、そして申し訳なさでいっぱいになっていた。 「ゴメンね、わざわざ来てくれたのに看病なんてさせちゃって」 「私が勝手にしたんだから、○○は気にしなくていいぜ」 謝罪する僕に対して満面の笑みをみせてくれる魔理沙。 その笑顔は普段の彼女のものと少し違っていたけど、とても綺麗な笑顔だった。 「ところで○○、雑炊作ったんだけど食べれそうか?」 そう言って魔理沙は先程持ってきた土鍋を見せてきた。 鶏肉や人参、椎茸に葱といった色とりどりの具材の入った卵雑炊。 先程から鼻腔を擽る香りといいこの見た目といい、何とも食欲をそそられてしまう。 「これ、魔理沙が作ったのかい?」 「私しかいないのに、他に誰が作るんだよ」 魔理沙の言う事はもっともだった。 でも、魔理沙って意外に家庭的な部分があるんだな。 口に出したらマズイ事になりそうだから言わないけど。 「それで、食べれそうか?」 「うん。せっかく魔理沙が僕のために作ってくれたんだ。ありがたく頂かせてもらうよ」 僕は魔理沙の言葉に甘えて雑炊を食べる事にした。 すると魔理沙は僕の背中に手を回して起き上がる手助けをしてくれた。 そして雑炊をレンゲで掬い、僕の口元へ運んで……え? 「……あの、魔理沙?」 「ん? あっ、このままだと熱いよな。スマンスマン」 僕の困惑を違うの意味に受け取ったらしく、謝りながらレンゲを自分の口元へ運ぶ魔理沙。 そして『ふぅー、ふぅー』と息を吹きかけて雑炊を冷ますと、再び僕の方へ持ってくる。 「これなら食べられるよな、○○」 「いや、そういう事じゃなくってね、その、自分で………」 「ほら、ゴチャゴチャ言ってないで食べろって」 魔理沙は僕の言わんとしている事をまるで無視してレンゲを差し出してくる。 でも、僕は気がついていた。 平静を装っている風の魔理沙の顔が、多分今の僕に負けないくらい真っ赤になっている事に。 もしかして魔理沙は気付いてる上でやってるのかな? だとしたら僕の取る行動は決まっている。 「……そうだね。せっかくの魔理沙の好意だし、素直にいただくよ」 僕は雑炊がなくなるまで、真っ赤になった魔理沙に食べさせてもらったのだった。 もちろん、僕の顔も高熱とは別の理由で真っ赤になっていたんだけど。 数日後、私の献身的な看病のおかげですっかり元気になった○○。 しかし○○の病気がうつったらしく、今度は私が体調を崩してしまった。 「魔理沙、ご飯が出来たよ」 「ああ……ありがとな、○○」 そんな私の看病をしてくれているのが元気になった○○だ。 ○○はわざわざ自分の仕事を休みにして一日中私の傍にいてくれていた。 こんな幸せが続くんなら、もうずっと病気のままでも良いとさえ私は思ってしまう。 だけど、そんな恵まれた状況の中でひとつだけ勘弁して欲しい事柄があった。 「それじゃあ魔理沙、僕が食べさせてあげるからね」 それが食事の度に行われる『はい、あ~ん♪』という奴だ。 私も○○が病気の時にチャンスだと思ってついやってしまったが、 これはやる方よりもやられる方が断然恥ずかしい。 「あの、○○? もう自分で食べれるから、大丈夫だぜ?」 「だ~め♪ 魔理沙は病気なんだから、僕に任せてればいいの」 しかも○○の奴、それに気付いてる上でやってくるから性質が悪い。 おかげで私は食事の度に恥ずかしさで悶え死にそうになってしまう。 それでも本気で拒絶しないのは、やっぱり○○にして欲しいって思ってるからで… 「はい、あ~んして?」 「……あ~ん」 気付けば私はいつも○○の事を受け入れていた。 「どう、美味しい?」 「………美味しい」 私の言葉を聞いた○○は本当に嬉しそうな笑顔になる。 ちくしょう……その笑顔は反則だぜ、○○。 そんな顔されたんじゃ何も言えなくなるじゃないか。 「よし、ご飯を食べたら身体を拭こうか」 「ああ………ん、えぇっ?!」 ちょ、ちょっとマテ○○! 勢いで返事したけど、今物凄い事言わなかったか?! 「何を驚いてるんだ? 病気なんだからお風呂は入れないだろ。 それに随分汗もかいてるみたいだし、昨日みたいに着替えるだけじゃ気持ち悪いだろ」 「そ、それはそうかもしれないけど、でも………」 身体を拭くということは服を脱ぐという事であって、 それは身体を拭いてくれる人に裸を見せる事になる訳であって、 つまりこの場合は私が○○に裸を……… 「それに魔理沙だって、病気したときに僕の身体を拭いてくれただろ?」 「ッ!?」 その言葉で私の脳裏に○○の裸が浮かび上がってくる。 見た目は華奢な感じだけど、意外にしっかりした身体つきの○○。 そして誘惑に勝てず、私は○○の身体を拭きながらつい手を……もうそれ以上は考えられなかった。 「………きゅぅ~」 「わっ?! ま、魔理沙? 頭から湯気が出てるよ?」 ○○の慌てる声を聞きながら、私の意識は闇の中に消えていった。 そして意識が戻った後、私は○○に身体を拭いてもらったのだった。 えっ、詳しい描写? ば、馬鹿! あんな恥ずかしい事詳しく言えるわけないだろ!!! うpろだ1241 ─────────────────────────────────────────────────────────── 「貴方の夢想、具現化してあげるわ。好きなカードを選びなさい」 突然目の前に現れた、金髪の妖しい、美女。 目の前には様々な絵柄のカードを拡げている。 不審な目で見つめると、くすりと笑った。 「私は確かに怪しいものだけど、別に貴方に危害を加えるつもりはないわ。ただちょっとしたお遊びに付き合って欲しくて」 ……この女アレか? 美人なのにもったいない。 まあいい、適当に付き合って終わりにしよう。 そう思い目の前のカードを眺める。 陰陽玉が描かれたカード、懐中時計とナイフが描かれたカード、無数の蝶が描かれたカード、金髪の人形が描かれたカード、紅い月と蝙蝠が描かれたカードetc…… ざっと目を通した限り統一性は全くない。 一体なんのつもりなのか、首を捻りながらカードに目を通していると、一枚のカードが目に入った。 星空をに浮かぶホウキが描かれたカード。 様々に色が着いた星が目を惹く。 「あら、それでいいのかしら?」 その色彩に見とれていると不意に女に声をかけられた。 思わず頷く。 と、女は笑みを深くした。 「分かったわ。それじゃあ、これを持って。手放しちゃダメよ」 有無を言わせぬ調子でカードを押し付けられた。 「いってらっしゃい」 女が言い終わると同時に襲い来る浮遊感。 気が付くと俺は満天の星空を落下していた。 落ちる俺を受け止めたのは絨毯だった。 魔法のランプとセットで有名な空飛ぶ絨毯、俺はそれに横たわるように乗せられていた。 さっきまで歩いていた見慣れた道は影も形もない。 周りはただ闇。頭の上には綺羅星がまたたいている。 ……さて、これはあの女の仕業なんだろうか。 …何者だあの女。 というよりここはどこだ? 体を起こして辺りを見回しても、真っ暗で何も見えない。 おまけにこの絨毯、微妙に前に進んでいる。 ……これはまずい。 何がまずいのか分からないが、このままどこかに連れていかれるとしたら。 言い知れぬ恐怖が沸き上がる。 なんとかこの状況から抜け出すための方法を考えていると。 「なんだ? 見ない顔だな」 後ろから声をかけられる。 振り返ればホウキに乗った人間がこちらを見ていた。 黒と白のエプロンドレスに、黒いとんがり帽子という魔女のような格好。星をバックにしたその姿はまるで…… 「珍しい物に乗ってるな。ちょっと貸してもらってもいいかね?」 貸すのはいいが俺の身の安全は保証できるのか? 「ああ、答えなくていいぜ」 尋ねようとした俺を遮って魔女が言うと、おもむろに腕を振りかざす。 「私は欲しいものは力ずくで手に入れる性質なんだ」 魔女が腕を降り下ろすと無数の星が降り注いだ。 思わず目をつぶると同時に体が下に向かって引っ張られた。 驚いて目を開くと星が上に向かって流れて……いやちがう、絨毯が急降下を始めた。 魔女から打ち出される星をかわすように絨毯が動く。極彩色の星が俺をかすめて行く。猛スピードで星空を駈けているような感覚。 「流石にこれじゃ当たらないか。……」 魔女がどこからか紙切れを取りだし高く掲げた。 「魔符『ミルキーウェイ』!」 左右から飛び交う無数の星。 その間を縫うように舞う星屑。 動く度に揺れる絨毯と相まって、本当に天の川に漕ぎ出しているようだ。 「やるな。これはどうだ。魔符『スターダストレヴァリエ』!」 天の川が消え去り、星が俺を取り囲む。 そして魔女を中心に収束し、拡散し、様々にその表情を変えていく。 万華鏡のような光の舞い。 一秒毎に姿を変える星の幻想。 この星にぶつかれば、ただではすまないことはなんとなく理解している。 絨毯がかわすことを放棄すれば、吹き飛ばされてパラシュート無しのスカイダイビング決行だろう。 それでも自分自身で身動きすることは出来なかった。 見とれていた。流れて行く星たちの煌めきに、瞬きすら出来なかった。 「これもかわすか。お前、すごいな。私の魔砲を避け切れるやつなんてそうそういないんだぜ。 オーケー、私も本気だ。ここまでやってくれるんだったら手なんか抜けないからな」 不意に星の段幕が止む。 魔女が八角形の箱のようなものを取りだし、俺に向けた。 初めてまともに対峙したその顔はやんちゃそうで、でも可愛らしいものだった。 その瞳はきらきらと輝いている。 「いくぜ。恋符『マスタースパーク』!」 箱が光ったのと視界がぶれたのはほぼ同時だった。 輝く光が残像となって一本の線になる。 次の瞬間、視界の隅で光が奔流となって駆け抜けて行くのが見えた。 低く唸り、火花を散らしながら煌めく光の塊が、長く尾を引きながら遥か彼方まで翔んでいく。 何故かあの魔女のようだと思った。 「油断大敵だぜ」 声に気付き振り返れば、絨毯に乗り込んできた魔女。 「まあ、あれをかわされちゃあ、これ以上やりあう気はないが。 しかし、どうなってるんだこりゃ?」 自分でもよく分からないと正直に話すと、魔女はしげしげと俺を見る。 「…お前、外の世界の人間か?」 よく分からないが金髪の派手な女に連れてこられたと言えば、ひどく納得した様子で頷く。 「あいつならやりかねないな。だったらまた会えるんだろ?」 今度こそその絨毯手に入れてやるとニヤリと笑う。 「また来いよ、いいな、必ずだぞ。ああ、答えなくていいぜ」 言うなり少女は顔を近付けて唇を奪ってきた。 「私は欲しいものは力ずくで手に入れる性質なんだ」 言った後でホウキにまたがり、ものすごい勢いで闇の向こうへと消えていった。 去り際に頬を染めていたのは、気のせいではないだろう。 唇に残った感触と暖かみにこちらも赤くなりながら見送った。 「おかえりなさい」 突然の引き上げられる感覚に我に帰ると、金髪の女が目の前にいた。 いつの間にか見慣れた道に戻ってきている。 「お楽しみいただけたでしょうか?」 おどけた感じで頭を下げる女。 「それ、貴方にあげるわ」 とにかく疑問は山ほどあったが、こちらが口を開く前に女は言った。 「それがあればいつでも幻想郷に行ける。よければまた遊びに来て」 言いながら地面へと沈んでいく。 「さようなら。縁があったらまた会いましょう」 完全に頭で沈みきり、そのまま姿を消す。 ……何者だったんだろう ふと持ったままだったカードを見る。 描かれたホウキに少女の姿を重ね合わせる。 同時にあの煌々とした星の光を。 何一つ分かったことはない。 ただ一つだけ確かなのは…… 俺はまたあの少女に会いに行くだろう、ということだった。 うpろだ1291 ─────────────────────────────────────────────────────────── 「なあ、これなんかどうだ?」 「ちょっと薄着に過ぎるな。向こうの秋は思ったより寒いぞ」 そうか、と呟いて魔理沙は、服を櫃に戻した。 ここは森の中にある小道具屋、香霖堂。さほどやる気のない半妖の店主が一人で切り盛りしている。 普段は訪れる客も少ないこの店に、来客があった。 白黒で有名な「普通の魔法使い」霧雨魔理沙と、外の世界から来たという青年、△△である。 「お、なんか妙なの発見。これなんだ?」 「…なんでセーラー服が…」 「なあ、これは駄目か?」 「出来れば別のにしてくれ…」 「まったく、注文の多い奴だぜ」 二人は今、外の世界の服を求めてやってきた。店主の森近 霖之助に事情を話し、代金代わりに 腕時計を渡すと、店主は大きな木の櫃を引っ張り出した。聞くと、衣服の類は比較的集まりやすく、 また好んで引き取るものもいないため、溜まる一方であり、引き取ってくれるのであれば代金は むしろいらないと言われた。しかしそれ以前に魔理沙がよく店のものを強奪していくので、 せめてものお詫びと押し通すと、悪いね、ゆっくり選んでいくといいと言い残し、店の奥に 篭ってしまったため、店内は今、二人きりだ。 「なあ、やっぱこのままじゃダメなのか」 「どこへ行ってもジロジロ見られたり、指を指されたりしたいなら構わないぞ」 「……」 △△を振り返った魔理沙は、また無言で服漁りを再開した。 紫が発案した、神無月の間だけの外界旅行。昨日申し込み用紙を回収しに来た紫の式、藍との 会話を、彼は思い出していた。 『ん、記載の漏れは無い様だな。紫様に届けるよ』 『よろしく頼みます』 『ご苦労様だぜ』 『それはいいんだが、魔理沙、お前はそのまま行くのか?』 『なんだよ藍。ダメなのか?』 『その服じゃ、目立つと思うんだが』 『やっぱり、そう思います?』 『どこだろうと私は「普通の魔法使い」霧雨魔理沙だぜ?』 『…△△、明日あたり香霖堂にいって、こいつの服を選んでやれ』 『実は一応、そのつもりです』 『お前ら無視するなー!』 「だぁーっ!」 奇声を上げて、服を放り投げる魔理沙のおかげで、△△の思考が現在に戻った。 「何やってるんだ…」 「何を選べばいいか分からないんだよ!」 「そんなに薄着じゃなくて、妙なのじゃなければなんでもいいんだよ。難しく考えるな」 「う、うるさい!私は、そ、その…」 急にうつむいて、尻すぼみになる声。 「ま、魔法一筋だったから、だからな、え、えと」 表情は見えないが、何かを恥じているような印象だと、△△は思った。 一応、思い当たる節はあるのだが。 「え、選び方とか、こーでぃねーと、ってい、いうのか?そういうの、よく分からないんだよ…」 彼の予感は的中した。魔理沙はいつも、「魔法使いはこうあるべき」と、白黒のエプロンドレスを好んで着ている。 いや、それしか着ないと言い換えてもいい。そこに突然、振って湧いた服選び。どうすればいいのか分からないのも 仕方が無い。 「…幻滅、したか?」 「え?」 「いい歳して、服ひとつまともに選べないこんな女、嫌いになっただろ?」 魔理沙は、とてつもなく情けなかった。恥ずかしかった。 大好きな男の前で、こんな失態を演じる自分が。 「なら、ちゃんとそう言ってくれ。強がらなくていいから」 泣きそうな顔で見上げた魔理沙のすぐそばに、△△の顔があった。 「△、△…」 「ずっと強がってたら、疲れるだろ。せめて俺には、駄目な魔理沙とか、弱い魔理沙とかも見せてくれよ」 魔理沙を△△は優しく抱きしめる。少しの間をおいて、魔理沙も弱弱しく抱き返す。 「…落ち着いたか?」 「…うん。あ、あり、がと」 「じゃ、一緒に選ぶとしますか」 「ああ。…私を可愛く、飾ってくれよ?」 「もとから可愛いけどな、魔理沙は」 「…ば、馬鹿、そ、そんなことさらっと言うなよぅ。は、恥ずかしいぜ…」 「嫌だったか?」 胸に顔をうずめたまま、軽く横に振る魔理沙。 「さあ、さっさと選んでしまおう。旅行の準備は、まだまだ残ってるんだからな」 頭をあげた魔理沙の顔は、笑っていた。いつまでも見ていたいような、太陽のような笑顔で。 「…うんっ!」 新うpろだ41 ───────────────────────────────────────────────────────────
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キャラ説明 デッキタイプ カードリスト協力カードリスト キャラ説明 PC98版2作目『東方封魔録 〜 the Story of Eastern Wonderland.』にて初登場し、それ以降は『東方文花帖 〜 Shoot the Bullet.』以外のすべての作品に自機キャラクターやボスとして登場。 人間であり、魔法を使う程度の能力を持つ。 金髪で黒っぽい服に白いエプロンを着ているのが主な特徴で、星弾とレーザー弾を多用する。 特に彼女の代名詞でもある極太レーザー《恋符「マスタースパーク」?》の威力は原作でも非常に高く、「弾幕は火力」という魔理沙自身の信条を良く表している。 男勝りの口調や実直でサッパリとした性格に惹かれるファンも多い。 デッキタイプ 恋符「マスタースパーク」?、星符「ドラゴンメテオ」?、魔砲「ファイナルスパーク」?等の攻撃値が高いスペルで相手を捻じ伏せる戦い方が得意。 また、高速詠唱?や魔力結晶?等のサポートを組み合わせる事で比較的早くから大ダメージを叩き込む事ができる。 但し主力スペルの殆どが集中であり、平均的な命中も低い為に高速移動や回避に長けたキャラを相手にすると劣勢に持ち込まれる事が多い。 よって魔理沙を主軸とするデッキには必ずと言っていい程ピンポイント?が3枚積まれるのである。 カードリスト リーダーカード 名前 体力 回避 決死 属性 普通の黒魔術師 霧雨魔理沙? 20 3 4 人間 魔法使い スペルカード Lv 呪力 名前 攻撃 迎撃 命中 性質 基本能力 1 1 魔符「スターダストレヴァリエ」? 2 1 3 集中 高速移動(1) 1 2 魔符「ミルキーウェイ」? 2 2 3 拡散 1 2 光符「アースライトレイ」」? 3 0 2 集中 1 2 恋符「ノンディレクショナルレーザー」? 4 3 4 拡散 2 4 魔空「アステロイドベルト」? 3 1 5 拡散 防壁(1) 2 4 恋符「マスタースパーク」? 4 2 4 集中 貫通 3 5 星符「ドラゴンメテオ」? 5 1 4 集中 3 6 魔砲「ファイナルスパーク」? 5 2 5 集中 貫通 防壁(1) 2 4 光撃「シュート・ザ・ムーン」? 4 1 4 通常 低速移動(1) サポートカード Lv 呪力 名前 配置 1 1 イリュージョンレーザー? スペル 3 3 ミニ八卦炉? リーダー 2 2 オーレリーズソーラーシステム? スペル 1 2 コールドインフェルノ? スペル イベントカード Lv 呪力 名前 使用 1 2 問答無用? 充填 2 3 拝借? 充填 2 4 疾風怒涛? 戦闘 2 5 高速詠唱? 充填 3 3 魔力結晶? 充填 1 3 蒐集? 充填 協力カードリスト サポートカード Lv 呪力 名前 配置 協力者 1/1 4 責任転嫁? リーダー アリス? 1/1 3 空っぽの賽銭箱? リーダー 霊夢? 2/2 5 妖怪退治? リーダー 霊夢? 1/1/1 2 ぐうたら? リーダー 霊夢? 萃香? 1/1 3 蹂躙する魔力? リーダー フランドール イベントカード Lv 呪力 名前 使用 協力者 2/2 4 マリス砲? 戦闘 アリス? 2/2 4 ダブルレーザー? 戦闘 パチュリー? 1/1/1 6 トリニティレイ? 戦闘 アリス? パチュリー?